第130話 それは譲れません!
「いいえ! こればっかりは相手がシャーリー様といえど譲れません!」
「ダメよ! 絶対にパジャマよ! 水着なんて認めないわ!」
ミランダとシャーリーが先ほどから張り合ってお互いに一歩も引かない様子だ。
......っていうか僕にとっては果てしなくどうでもいい議論なのだけど。仕方がない僕が仲裁してあげよう。
「あの、別に部屋に何を飾るかなんて個人の自由じゃないかな?」
僕が2人に提案するとミランダとシャーリーはお互いに顔を見合わせた後にシャーリーは僕の肩を両手で掴んでゆっくりと話し始める。
「アイネちゃん......今話しているのはそういう話じゃないの。今度、女の子を集めて水着パーティーをするか、パジャマパーティーをするかを話し合っているの」
「......その話詳しく聞いていいですか?」
なにそれ!? すごく楽しそう!! これはじっくりと話を聞く必要がありそうだ。
「姫様、そろそろ移動しましょう」
僕の考えとは裏腹にメイド長は出発の準備を始めようとした。
「ちょっ......メイド長!! 今から重要な話が始まるんじゃないか!! ここでシャーリーさんたちの話を聞かないという選択肢はないでしょ!! 今日の予定はそう......延期! 延期にしよう!」
どうせ却下されると思うけど一応メイド長に提案をしてみた。
「延期ですか......アイギス殿下の御都合もありますのでそれはできません。しかし、本日の予定は杖を取りに行くという用事ですので別の者に行かせることにしましょう」
「え? いいの?」
あれ......意外にもメイド長、承諾してくれた!?
「はい。お見合いでしたら姫様が行かなければなりませんが、本日の予定は杖を取りに行くだけですので杖がどんなものか知っていれば誰でも構いませんので」
そう言ってメイド長は世界の秘宝図鑑の本を取り出した。
......ってなんで持ってるのその本!?
「ミランダ様! ミランダ様! 助けてください!!」
外からミランダを必死に呼ぶ声がした。声の感じからして何かあったのは間違いないだろう。
「お客さんみたいですね。ちょっと出てきます」
「あ、僕も気になるから着いて行くよ」
ミランダに続いて僕、メイド長、マーラは外に出た。そこにはぐったりした女性が倒れていたのでミランダはすぐに駆け寄った。
「一体どうしたのですか?」
ミランダは頭から血を流している女性に尋ねた。
「
「よぉ! 領主さんよ......みかじめ料を貰いに来たぜ」
20人くらいの刺青を入れた男たちが現れてそのうちの1人がミランダに言った。
ま、マジモンのヤクザ来たァ!? ......いや、ここは外国だからマフィアかな? そんなことよりどっちにしてもまずい状況だ......
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