第129話 この部屋におかしなものがありますよ

「おっと......ボクとしたことが麗しのお姫様を玄関で立たせたままでしたね。お部屋にご案内しますので中へどうぞ」

 ミランダは僕たちとシャーリーを部屋に案内した。

 飲みかけのティーカップが置いてあるところを見るとシャーリーさんがさっきまでいた部屋のだろう。

「こちらでゆっくりとしてください、新しいお茶を用意しますので少々お待ちください」

 ミランダは一礼して部屋から出て行った。パッと見た感じクリスさんのところの客間と似た作りになっているようだ。

 大きな窓からは街を眺めることのでき、高級感のあるシャンデリアは夜でも部屋を明るく照らしてくれそうで、そして部屋に飾ってある水着は......え? 水着?

「お待たせしました。今、お茶をお入れしますね」

 ミランダは部屋に入るとティーカップにお茶を注ぎ始めた。この水着が飾ってある異常な部屋で。

「ミランダさん......あの......質問してもいいですか?」

「アイネ様、何でしょう? もしかしてボクが好きな女の子のタイプですか? 仕方ないですね......お答えしますよ! 私のタイプは......」

 いや、そんな質問をするつもりはない。そして聞いてもいない質問に答えようともしないで!

「そうじゃなくてあれ! 何で飾っているんですか?」

 僕は水着を指差してミランダに質問をした。

「あれ......ああ、水着ですね。可愛いと思いませんか? そう......ボクは水着を着た女の子を飾りたいんです!」

 どこか犯罪臭のする欲望をぶちまけちゃったよ......この人。

「やっぱりアイネちゃんも水着なんておかしいと思うわよね?」

 シャーリーさん、女の子を食べたいとか考えてる変な人だと思ってたけどそれ以外は普通の人でよかった。

「飾るならやっぱりパジャマよね?」

 訂正。シャーリーさんも普通じゃなかった......

 衣料品売り場とかに水着やパジャマを飾るのは普通のことだと思うけど客間にはどちらも普通飾るものじゃないよ?

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