第126話 水着展開が欲しいよね
移動中僕はメイド長の用意してくれていたサンドイッチを食べていた。相変わらずマーラは下を見ながらもじもじしている。時折僕の顔をチラチラと見ている。
それにしてもサンドイッチは口の中の水分が持っていかれるな......喉が渇くね。
「ひ、姫様......お、お茶です。あ、熱いので......ちゅ、注意して飲んでください」
マーラはタイミングがいいところでそっとカップを手渡した。
......いつの間にお茶入れたんだろう? まあいいかそんなことは。
「ありがとう。マーラ」
僕が微笑んでお礼を言うとマーラが床にうつ伏せで倒れ込んだ。
「ひ、姫様が! わ、私のようなゴミのような人間に! ほ、微笑みかけてくださるなんて!!」
「え、えっと......大丈夫?」
僕は心配してマーラに声をかけた。
「ひ、姫様が! わ、私のようなゴミのような人間を! し、心配してくださるなんて!!」
......何この無限ループ? 面倒くさいことになってるんだけど!?
「姫様、マーラはそのままにしてください。下手に姫様が声をかけると大変なことになりますので」
メイド長が僕たちの様子を見て忠告をしてくれた。
仕方ない......これからは注意しよう。いや、待って......メイドが床でうつ伏せになってる時点でもうすでになかなかに大変なことになってるけど!
とりあえずこの異常な状況を気にしないように僕は外を眺めることにした。
お! 遠くに海が見えるぞ。この世界に水着というものがあるのか気になるな......僕みたいな女の子になっちゃった系のお話だと自分が女だから堂々と他の人の水着を見れておいしい思いができるはずだ! 一応補足しておくけどもちろん見たいのは女の水着のほうだ! 男の水着なんて見ても何の得もないからね!
外の景色を見ながら物思いにふけっていると今度は街が見えてきた。
「姫様、あの街で少し休憩しましょう」
メイド長がそう言うと街のそばに馬車をとめて街に入った。すると早速3人の男に絡まれてしまった。
「おぅ! 姉ちゃん! なかなか美人じゃねぇか。ちょっと俺たちと遊ぼうぜ!」
水着展開はあって欲しいけどナンパ展開はあって欲しくなかったなぁ......
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