第79話 誤解が解けたようだ

「もしかして、あんた......わたくしの恋を応援してくれるの?」

 え? もしかしてついに気づいてくれたのか!?

「もちろんだよ! だってコロネはザックス王子とお似合いじゃないか! 当然身を引かせていただくよ!」

 と僕は言ってコロネにグッジョブポーズを向ける。

「えへへ......お似合い......」

 コロネがニヤケ顔でデレデレしていた。

「なんだ......いつもツンツンしてるけど笑えば普通に女の子らしくて可愛いじゃないか」

「ば、馬鹿! 女に可愛いとか言われても嬉しくないわよ!」

 ......と言う割にはさっきよりももっとニヤニヤしているけどね。

「あんた......いや、これからは友達だからアイネって呼ぶわ! アイネ、わたくしのザックス王子との結婚のために協力してもらうわよ!」

「もちろんだよ! 全面的に協力するよ」

 ガシッと僕とコロネは顔の前で手を組んだ。そのままコロネは満足そうな顔をしながら言う。

「これで同盟結成ね!」

「なんかコロネの手......ベタベタするんだけど......って僕の手もだ!」

 僕が自分の手を見つめていると。

「ふっふっふ......それはですね。あらかじめ紅茶に砂糖を溶かしていたからですよ。わざわざ砂糖を入れなくても飲める紅茶......すごくないですか!?」

 自慢げに何を語っているのだこのポンコツメイドは。何がすごいのかご説明いただきたいくらいだ!

「早く手を洗いたい......」

 僕は手だけでこんなに気持ち悪いのに全身で浴びたコロネはよく我慢してるな。

 ザックスのことではかなり怒るくせに女ってよく分らんな。

 そんなことを考えているうちに浴場までたどり着いた。

「ここね。さ、服を脱がしてもらえるかしら?」

 コロネはさも当たり前のように言う。

「それは誰に言っているのかな?」

 僕は念のためにコロネに聞き返す。

「そっちのメイドに決まっているでしょ......メイドが服を脱がすのは当たり前でしょ?」

「それはやめた方がいいと思うよ!」

 僕は呪いでもかけるかのように睨みながらコロネに言った。

「姫様! それはどういう意味なんですか? どういう意味なんですか!?」

 などとアスカが騒いでいたが、その反応も気にすることなくコロネは僕の圧力に負けたのかこう言った。

「ならアイネが服を脱がしてよ」

 おっと......ここに来てお色気展開が来たのかな?

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