第80話 お色気展開?
「服を......脱がしてだって......!?」
目の前には恥じらう女の子.....
「そうよ。早く脱がしてよ。私だってベタベタして気持ち悪いんだから」
コロネは一刻も早くお風呂に入りたいという感じで待ちきれないという顔をしている。
うん......恥じらってはいないようだ。ムードも何もない。そりゃそうだ......だってコロネ目線だと女の子が女の子に服を脱がしてって言ってるだけだもの!
「仕方ない......脱がして......あれ? この服どうやって脱がすんだ?」
僕は服の脱がし方がよく分らず困っていたところにメイドが通りかかった。
「あれ? 姫様どうしたんですか?」
「サーシャ! ちょうど良かったコロネの服の脱がし方が分らないんだ。手伝ってくれない?」
「はい。私に任せてください」
サーシャはそう言うと実に手際よくコロネの服を脱が始めた。
やっぱりメイドってすごいな。あんな複雑な服でも簡単に脱がせられるんだから。
そんなことを考えているところサーシャに突然声をかけられた。
「姫様も手が汚れていらっしゃるじゃないですか? こちらのお嬢様の入浴も私のほうで対処しますので手を洗って来られてはどうですか?」
「いやここに残るよ! ほら、サーシャの手伝いがいるかもしれないし!」
......違うからね! お色気展開に期待しているとかそういうのじゃないよ!
「はは~ん。もしかして姫様も一緒に入りたいんですか? それじゃあ脱ぎ脱ぎしましょうか?」
サーシャはこちらに身の危険を感じるようないやらしい手つきをしながら近づいて来た。
何でコロネの時の態度と全然違うんだ!? 何だかヤバイ感じがするぞ!
「さ、さあ! 手を洗いに行くとしようか!」
身の危険を感じてすぐさま僕とアスカは浴場を外に向かい歩きだした。
「そうですか......残念です」
背後からサーシャの声が聞こえたがそのまま振り返らず外に出た。
浴場から少し歩いたところで僕が独り言を呟いていた。
「性格はちょっとアレだけど、サーシャはやっぱり頼もしいな」
それを聞いたアスカが頬を膨らませながら不満を漏らす。
「姫様! 私だってあれくらい簡単にできますよ! まったく......もっと私を信用してください!」
「ごめん、ごめん! ......ま、次回からもアスカに任せるつもりはないけど」
「何か言いましたか、姫様?」
どうやら後半のところはアスカに聞こえなかったようだ。
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