第77話 もしかして僕友達いない?
「あ、あなたがそう言うなら友達になってあげてもいいわよ! べ、別にあなたと友達になりたいとか全然全く思ってないけど、どうしてもって言うならしょうがないわね」
分かりやすいツンデレだなぁ。その人は殺人未遂の犯人です......とは言えないから友達ってことにしただけなんだけど。
「姫様! もしかして初友達じゃないですか!? 私、初めて姫様の友達見ましたよ!」
「ちょっとアスカ......それじゃあまるで僕は友達がいないボッチみたいじゃないか?」
「す、すみません。そんなつもりじゃ......」
アスカは慌ててペコペコと何度も頭を下げる。
しかし、よく考えてみると僕の友達って......ガニアンさんは友達......って感じじゃないよな。あ! シャーリーさんがいた! よかったボッチじゃないぞ!
「じゃあ今日は友達の家に遊びに来たんだから私はここにいても文句ないわよね?」
コロネは大義名分を得たせいか図々しくもここに居座ろうとする。
まあこの子がここに居座るってことはおそらく今日のお見合い相手は......
「まあ、いいけど......つまり今日のお見合い相手はザックス王子か......」
「姫様! 何で分ったんですか!? すごいですね!」
アスカは驚いたような顔をして口に手を当てていた。
うん。分かるよ。だってコロネがここに来たからね。
「失礼します。姫様、もうしばらくするとザックス殿下が来られるそうなのでそろそろご準備を」
メイドが頭を下げながら僕に教えてくれた。
「さて、急いで食べようか」
僕は急いで朝食を食べることにした。
食事を終え待合室で待機していると、メイドに言われたとおりザックス殿下がやってきた。
「アイネ姫、お久しぶりです」
声のほうを見てみるとイケメンスマイルでザックスが部屋に入ってきた。
「久しぶ......」
「ザックス王子! お久しぶりです! 会いたかったわ!」
僕の言葉をかき消すかのように声を出しながらコロネがザックスのほうに近づいていく。
「コロネ姫、いらっしゃったのですか?」
「はい。わたくし待ちきれずザックス殿下に会いに来ました!」
「そうですか。大変申し訳ないのですが今からアイネ姫とお見合いですのでまた日を改めていただけますか?」
うん。まあそうなるよね。
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