第76話 意外な反応
翌日、部屋の外に出ると今日はメイドが部屋の前に立っていた。
「姫様、おはようございます」
「おはよう」
僕はメイドに挨拶をして食堂に向かった。
椅子に座るとメイドたちがすぐに朝食を運んできてくれた。
「うん。実に平和な朝だ」
昨日が慌ただしかったのでその反動と言うべきか平和な日のありがたみを痛感していたその時。
「ちょっ......勝手に入らないでください!」
アスカの叫ぶような声が部屋の外で聞こえたかと思うとすぐにここの部屋のドアが開かれる。
「この前はよくもやってくれたわね!」
「おはよう。チョココロネ。今日も元気だね」
部屋に入ってきたのは先日僕に毒を盛ろうとしたコロネだった。
「おはよう......じゃなくて、チョココロネじゃないわよ! あんたいい加減わざと間違えてるでしょ!」
「......(もぐ)」
僕はその様子を見ながらメイドが運んできた朝食を食べ始める。
「って何食べ始めてるのよ!」
「朝からうるさいな......こっちは食事中だよ!」
「そうね。悪かったわ......って違うでしょうが!」
僕にろくに相手をしてもらえていないのが悔しいのかコロネは半泣きになってしまった。
「チョココロネ様! 勝手に入らないでください!」
アスカがコロネの服をひっぱって部屋から連れ出そうとしている。
「嫌よ......って言うかあなたも私の名前間違えたわね! いい加減怒るわよ!」
いや、もう怒ってるだろう。
「え、すみません。先ほどチョココロネという名前だと姫様と会話されてましたので......」
「紛らわしいこと言ってごめん、アスカ。その人はコロネって名前なんだ。僕の友達だよ」
アスカは僕の言葉を聞いて納得というような表情をしている。
「と、友達?」
逆にコロネは困ったような嬉しいような怒っているような何とも言い難いような表情をしていた。
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