第74話 久しぶりに設定を思い出したよ

「オホホホ。おじさま御冗談を! おじさまと僕じゃ年が離れ過ぎているじゃないですか」

「お、お、お、お、お父様! 何を言っているんですか!?」

 僕は笑ってエロジジイの馬鹿な発言は聞き流した。逆にガニアンはかなりうろたえているようだ。

「ガニアンよ。考えてみろ......」

 そう言ってガニアンの父はガニアンの肩に手を置く。

「私とアイネちゃんが結婚すれば毎日会えるぞ」

「さ、さすがお父様! それは良案です!」

 キラキラした目をしながらガニアンはガニアンの父に尊敬のまなざしを向けている。

「......というか僕の話を聞けよ......」

 2人で盛り上がってるところ悪いけど常識的に考えてこのおっさんと結婚は他の候補と比べてありえないだろ!

「......はっ! あまりにもアイネ姫が魅力的すぎてついプロポーズをしてしまった......失礼した。先ほどのことは忘れて欲しい」

 よく分らないけどガニアンの父はどうやら我に返ったらしい......

 そう言えば僕には転生特典の呪われしモテ能力があったんだったな......まじでいらない......

 そんなことを考えていると突然ガニアンがガニアンの父に質問をした。

「そうだ......なぜお父様はここに私がいることが分ったのですか?」

「メイド長殿に教えてもらってな......メイド長殿、娘のことを知らせてくれて感謝する。これはわずかばかりの礼だが受け取ってくれ」

「貴様! よ、よくもばらしたな!」

 怒っているガニアンのことを放置してガニアンの父は明らかに厚みのある紙包みをメイド長に渡そうとしていた。

「いえ、当然のことをしたまでです」

 そう言ってメイド長は紙包みの受け取りを拒否した。が、しかし、別の人物が割り込んできた。

「メイド長がいらないなら私貰っていいですよね!」

 アスカが横から受け取ろうとしていたのだ。

「常識で考えなさい。いいわけありません」

 当然、メイド長に諭されてしまった。

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