第72話 探しに行くとしようか
「し、心配するな! うちにある杖ならどの杖でもくれてやるぞ!」
慌てて体裁を取り繕うとアイギスは手をばたつかせている。
別にそんな心配してない! というか何でもいいから杖が欲しいわけじゃないんだけど......
「じゃあ......」
「アイネ! 小生のうちに来ないか?」
僕が断ろうとするのと同時にアイギスがうちに誘ってきた。
家にずっといるよりは誰かの家に行くのは旅気分でちょっと楽しそうだ。
「うん......それじゃあ......」
「いけません! いけませんよ......アイネ姫! 女の子が男の家に行くなんて! 男はみんなオオカミですよ! 危険すぎます! 絶対に許しませんからね!」
僕の言葉を遮ってなぜかガニアンが力説していた。
「いやでもこの前、ロイド殿下の家に行ったし別にいいんじゃないのかな?」
「違います! あれはセレナの家に行ったのであってロイドの家に行ったんじゃないです!」
ふむ......違いが分らないぞ。どっちでも同じだろ!
「まあいいじゃない。何ならガニアンさんも一緒に来たら?」
「む......分りました。それなら承知しましょう」
何か杖がたくさんありそうな予感がするし人手は多い方がいいよね。とりあえず労働力を確保できたぞ。
「じょ、冗談じゃないぞ! 何でガニアン王女が一緒についてくるんだ」
アイギスは焦った様子でうろたえていた。
「やはり......2人きり会って何かするつもりだったのか?」
ガニアンは少しアイギスを睨んだ。すると諦めたようにアイギスは呟いた。
「い、いやそんなつもりはないぞ。分った......一緒に来てもらって構わないぞ」
まあ、正直ガニアンさんが来なくてもメイド長がついてくると思うから2人きりってことはないと思うけど。
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