第66話 謝るの忘れてた
「だ、だって......少しでも早く会いに来たかったのだ」
アイギスは少し涙目で声を震わせながら呟いた。
すると逆にガニアンのほうが少し慌ててアイギスの前に駆け寄った。
「い、いや、すまない。泣かないでくれ! 私はこう見えても子供が大好きなんだ! 0点は冗談だ! ほらアイギスくんも可愛いしな!」
ガニアンは必死に弁解をしている。ただ1つガニアンはミスをしてしまった。
そう「可愛い」と言ってしまったのは失敗だね......
「だ、誰が子供だ! 小生はこう見えても18歳......つまり大人だ! それに小生は可愛いんじゃない!! かっこいいんだ!!」
アイギスは獣のように怒りをあらわにした表情で睨みつける。
対するガニアンも豹変ぶりに驚きを隠せない表情でいる。
「ガニアン王女よ!! 覚えていろ!! 必ずこの屈辱は晴らさせてもらうぞ!!」
アイギスはそう吐き捨てるとそのまま部屋から出て行ってしまった。
「お待ちください! アイギス殿下......ひゃあ」
アスカが追いかけようとしたが自分のスカートの裾を踏んで盛大に転んだ。
「はぁ......私がフォローしておきますので、アスカは姫様のほうをお願いします」
「はい! 任せてください!」
メイド長はアスカに命令すると元気よくアスカが返事をした。メイド長はその様子を見て頷き、アイギスを追いかけるため部屋を出ていった。
あれ......そういえば何か忘れているような......そうだ! 可愛いって言って怒らせたこと謝ってなかった! ま、今度でいいか。
「なんだかよく分らないけどもう少しアイネ姫姉ちゃんとお話しできるね」
チャーリーが嬉しそうな顔で微笑んでいる。
「小さくて可愛いらしいかたですね」
メイド長の代わりに僕のそばに来たアスカが耳うちをする。
うん。確かに見た目は可愛いよね。でも、もしこれが全部チャーリーの作戦通りならむしろ怖いんだけど......
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