第65話 わがままですね

「貴様! 黙って聞いておればチャーリー君に無礼だろうが!」

 おっと、黙っていたガニアンが参戦してきたよ。いや、ちょっと待って......さっきチャーリー君とか言ってなかった? 何か思ってたより親密になってる......

「誰だ! 小生に命令するのは!? ......あ、あなたはっ.......ガニアン王女?」

「いかにもそうだが?」

 アイギスはガニアンの姿を見て驚いていた。

「メイド長、お茶のおかわり貰えるかな?」

「はい。こちらに」

 僕は2人のやり取りを完全に蚊帳の外から眺めながら、メイド長に入れてもらったお茶を飲む。

 お見合い中なのに僕が話に入らなくていいとか最高だよね。

「最高ではありませんよ、姫様。ちゃんと会話に入ってください」

「いちいち心を読まないでよ......」

 僕はそうメイド長に突っ込まずにはいられなかった。

 というかプライバシーの侵害だぞ! 姫様とはいえプライバシーは守って欲しいものだ。

 僕は心の中で文句を言いながら再びアイギスのほうの会話に耳を傾ける。

「ガニアン王女......何でここに?」

「アイネ姫のお見合い相手を見極めに来たのだ!」

 アイギスの質問にガニアンは得意げに答える。

 頼んでないし勝手に押しかけてきたわけだけど......

「なるほど......では小生の評価を聞かせてもらえないだろうか?」

「0点だな。何ならマイナス点でもいいくらいだ」

 アイギスは予想外のガニアンの評価にガッカリしたような表情浮かべている。

「な、なぜだろうか? 私の評価が低いのは? り、理由を聞かせてもらえるだろうか?」

「チャーリー君のお見合いに乱入したからだ! 乱入するならむしろカインのときにしろ!」

 ......「チャーリー君の」ってそこ限定するの!? 完全に自分の好みで決めてるよね?

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