第63話 今までで一番お見合いっぽくないだろうか?
「アイネ姫姉ちゃんは休日は何して過ごしているの?」
チャーリーは純粋な子供の瞳をキラキラ輝かせて聞いてきた。
先ほどまでと違いガニアンは横から妨害する様子はない。
こう言う質問されるのって......なんか今までで一番お見合いっぽくない?
......あれ? 僕に休日なんてあったっけ?
ふと今までのことを思い出していた。決まった休みなどなくたまたま予定が空いてたら休んでいたくらいだ。
日本でも週休2日が基本だろう......もっと休みが欲しいものだ。こんな休みのない仕事させるなんてブラック企業だぞ!
文句を言ってもしょうがないか。とりあえずチャーリーの質問に答えよう。
「この前の休みは本を読んでいたね」
この世界で暇がつぶせそうなのが本くらいしかなかったからだけど。
「そうなんだ。僕も本好きだよ! どんな本読んだの?」
「この前読んだのは小説系の本と世界の秘宝図鑑だよ。世界の秘宝図鑑に載ってた杖を探しているんだけど全然みつからなくて困っているんだよね」
僕はチャーリーの質問に答えた後にイセカイテンイの杖が見つからなかったので少し不満を漏らした。
なんだか最近は「本物なんてない」というサーシャの言葉通り本物がないのかもしれないと思うようになってきた。
「杖ってもしかしてイセカイテンイの杖? ぼかぁも持っているからあげようか?」
「くれるの? ありがとう」
とりあえずチャーリーにお礼は言ってほほ笑んだ。でも内心正直あまり期待していない。
だって......他の王子様たちがくれたのもレプリカだったからね!
「アイネ! 前回の屈辱を晴らしに来たぞ!」
「ちょっと勝手に入らないでくださいよ! アイギス殿下!」
突然声がしたのでその方向を見ると部屋の入口の所にアイギスとそれを止めようとしているアスカの姿があった。
「はぁ......また減給が必要そうですね」
メイド長の口から不吉な言葉が出たが僕は気にしないことにした。
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