第58話 何とか押し付けられないかな

 何とかいい感じにして2人をくっつければ僕のお見合い相手が減る! さてどうくっつけようか......

「ガニアンさんはカイン殿下のことどう思ってますか?」

「そうですね。例えるならゴキブリですね。いろんなところから湧いてくる気持ち悪い存在ですね」

 おっと......こっちに質問したのはまずかったかな。ならカインのほうに聞くか。

 ガニアンを説得するのは難しいと判断して僕は逆方向にいるカインの方向を向いた。

「カイン殿下はガニアンさんのことどう思ってますか?」

「そうだな。見たまんまゴリラだな。凶暴で野性的で手のつけられない野獣と言って間違いないな」

 ......どうやらこっちもダメだ。

 僕の2人をくっつける作戦はどうやら失敗のようだ......

「アイネ姫、分ったでしょう。口が悪いだけの頭が残念な男なんです! さっさと駆除して私とお茶でも楽しみましょう」

「どんな理論なんだよ! 口が悪いだけで駆除していいわけないからね!」

 ガニアンの言葉に僕はすかさず突っ込みを入れた。

「分っただろ? アイ。このゴリラは脳細胞まで筋肉でできている野獣なんだよ。さっさとこいつを野山に返して俺と会話を楽しもう」

「いや、待ってよ! ゴリラじゃないからね! ほらよく見てよ! 人間だよ!」

 僕はガニアンを掴んでカインの前に差し出した。

 なんだこの状況は......普段のお見合いの5倍くらい疲れるぞ......

「......何じろじろ見てんの? 害虫?」

「あ゛? 自意識過剰じゃねぇのか? ゴリラ?」

 しまった......意図せず2人が睨み合う構図にしてしまった。

「「決闘だ!」」

 なんでこんなタイミングだけ2人の意見が一致するんだよ! しかし、厄介なことになってしまったな......

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