第35話 採用テスト
仕事ぶりを見る限りアスカはメイドとしては役に立ってないもんね。
僕は可哀想な子を見る目でアスカのことを見た。
「あのメイド長......だったらナナリーは雇わなくていいので私の雇用を継続してください!」
アスカはあっさり友達を切り捨てた発言をしている。どうやら今の仕事を辞めたくないようだ。
「姫様! 私の雇用を継続ですよね!」
「アイネ姫様! 私のほうが優秀ですよ!」
アスカとナナリーの2人の少女たちの可愛らしい声が僕の心を癒す。
こういうハーレムなら大歓迎だ。むさくて汗臭い男どもに好かれると比べると天と地ほどの差がある。
できることなら2人とも雇ってあげたいな......
というかあの姿で放置プレイされながらこの会話を聞いているアランは一体どんな気分なんだろう。
ふと気になってアランの方を見てみるとなぜかその顔は穏やかで笑っているようにも見える。
こいつ......放置プレイと自分のことを嫌がるメイドを見てを楽しんでやがるのか。
「はい! じゃあテストをします!」
僕は2人に提案した。正直どっちの子も可哀想すぎて選べなかったのだ。
「姫様? テストって何をするんですか?」
アスカが首をかしげながら僕に質問をした。
「まあ、そりゃあ......メイドとしてのテストだけど?」
「そんな! それじゃあ私ナナリーに勝てないじゃないですか!」
アスカはいままで一体何の仕事をしていたの? メイドとして仕事してたんだよね?
「そういうことでしたら私は2人を見極めましょう」
メイド長が名乗りをあげてくれた。メイドとしての仕事ぶりを見極めるならメイド長が見極めるのが最適と言えるだろうな。
「じゃあ頼むよメイド長。僕は自分の部屋で待っているから......」
僕はそう言って部屋に戻ろうとした。
「何を言っているのですか?」
メイド長に止められた。
「え? 何で?」
「姫様......あなたは今何をしているのですか」
「何って......あ」
そうだった。変態の恰好で忘れていたけど僕は今お見合い中だった。
「そちらでアラン殿下と一緒にあの2人のメイドの腕をご覧になるのはいかがでしょうか?」
なるほど。メイド勝負の観賞か......悪くないな。一緒に見る相手がこの変態じゃなければもっといいけど。
僕は横目でアランを見てため息をついた。
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