第28話 女性恐怖症は治ったのでは?
いや待て。こう考えるんだ。
グラエムは突然今日女性恐怖症が治ったんだ。きっとそうだ!
「あの、もしかしたら殿下は女性恐怖症が治ったのでは?」
僕のその言葉にグラエムは驚く。
「た、確かにその可能性もある......失礼ですがそちらメイド、触っても良いだろうか?」
グラエムはアスカを指差した。
「え? 私? まあ、構いませんけど......」
グラエムはアスカに近づき手をのばすが突然グラエムのようすがおかしくなる。
「オェエエエエエエ!」
グラエムは吐きやがった。床が悲惨なことになってしまった......あとアスカもね。
「うぇえええ......気持ち悪い......」
「貴様! グラエム殿下に気持ち悪いとは何事だ!」
グラエムの執事がアスカを睨みつける。
「いや、いいんだ。すまなかったね。オェエエエ......」
「ぎゃぁあああ! 殿下がまた吐きましたよぉおおお!」
グラエムがまたアスカに吐いたようだ。可愛そうなアスカ。あとでメイド長に給料上げるように相談してあげるね。
「すまない。今日はお見苦しいところを見せてしまった......今日のところは失礼させてもらうよ」
そう言ってグラエムは執事に肩を貸してもらって部屋から出て行った。
その後メイドたちが集まって来て床を掃除する。
もちろんアスカも服が汚れてしまったので服の着替えと体の汚れを落としに部屋から出て行った。
なんだよ......女性恐怖症は健在ってことかよ......いや待ていいことを思いついたぞ!
「メイド長。大事な話があるんだけど」
「はい。何でしょうか姫様」
「実は僕は男性恐怖症なんだ」
「なるほど。では男性恐怖症を克服しましょう」
え? なにこのグラエムとの差は?
どうやら僕はお見合いを続けなければならないらしい。
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