第24話 僕よりも強力なチート能力を持つ者

 夕食も食べ終わりくつろいでいると国王様はメイド長に尋ねた。

「お見合いの状況はどうなっている?」

「はい。ザックス殿下、ロイド殿下、ジーク殿下、ガイウス殿下、アイギス殿下、カイン殿下、チャーリー殿下、アラン殿下、マルス殿下とのお見合いは最低1回は行っております」

 こうして思い返してみるといろんな人とお見合いしたんだな......結婚したい人は当然いないけど。

 あれ? よくよく考えてみるとまだ9人しかお見合いしてなくない?

 確かメイド長はザックス殿下のときにあと9人、つまり全員で10人とお見合いすることになるはずだ。

 どんな変人が現れるか不安だ......

「ふむ......で、その中でアイネちゃんのことを気に入っているのは誰だ?」

「全員です」

 国王様の問いにメイド長は即答した。

 まじかよ......お世辞で言っていることを信じたい。

「そうだろう。何せアイネちゃんは世界一可愛いからな!」

 自慢げに納得する国王様。どうやらもうお見合いを止めてくれる気はないようだ。

 だがしかし、僕の見たところ娘の僕には甘い。

 少しお願いをするだけでもしかしたら気が変わるかもしれない。

「ねぇパパ、僕お見合いするの嫌だなぁ」

 上目使いで唇に人差し指をあてて可愛くお願いをしてみた。

 どうだ! これなら完璧だろ!

「アイネチャンハオミアイシナイトイケナイヨ」

 ん? なんか機械がしゃべるかのように淡々とした返事が返ってきたぞ。

 まさか......

 僕はセバスチャンのほうに目を向ける。

「その通りでございます、姫様。私が少し助言させていただきました」

 メイド長同様質問をしていないのに答えてきた。

 いや、助言とかのレベルじゃない。もはや洗脳だ。

 さすがメイド長の父ということか。

 洗脳ができるならこの国を滅ぼしたり乗っ取ったりすることも可能なんじゃないだろうか。

 僕の逆ハーレム能力とその能力を交換して欲しいと思わずにはいられなかった。

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