第7話 キレイなバラにはトゲがある

「ごきげんよう」

 わっ......また声かけられた。

 僕より4、5歳くらいは年上かと思う美人さんに話しかけられてしまった。

 しかも、かなりの巨乳だ。最近むさ苦しい男とずっと話してたから見ているだけで心が癒されるわ。

「もしも~し。聞こえてますか?」

 やべっ......見とれてて返事するのわすれてた。

「ごきげんよう?」

 使いなれない言葉を使って僕は変なイントネーションで挨拶してしまった。

「ふふふ、普段と同じ話し方でいいですよ」

 ほほ笑むともう笑顔がまぶしい!!

 やっべ......さっきのチョココロネとはまるで別の生き物だわ。

「あ、ありがとう。僕は......」

 人差し指で唇を押さえられてしまった。

「アイネちゃんよね。私はシャーリーよ。よろしくね」

 何この人、男の落とし方熟知していらっしゃる!! まじ可愛いわ!!

 そ、そうだ。今度こそ容姿を褒めないと。

 えっと何か女性として他の人よりいいこと顔は可愛いし、性格いいし褒めること多すぎだよ!!

 少しこの時どうかしていたのか僕はとんでもないことを褒めてしまった。

「シャーリーさん、おっぱい大きいですね......」

 はっ......これじゃただのセクハラオヤジじゃねぇえかぁああああ!!

「ありがとう。触ってみる?」

 えっ......シャーリーさん今何とおっしゃいましたか? その豊満な果実を触ってもよいと?

 そんなこと言われたら、触っちゃうよ!! 欲望のままに触っちゃうよ!!

「え、遠慮しておきます......」

 女の子と手をつないだこともない僕には困難すぎるミッションだった。

 血の涙を流し(実際には流してないけど)て断ざるを得なかった......

「じゃあキスくらいはしよっか?」

 シャーリーはキス顔で迫ってくる。

 え? 何この人......

「お嬢様、そこまでです」

 メイド長!! ......じゃないかよく似ているけど別人か。

 メイド長似のその人はキス顔のシャーリーの首元をつまんで捕まえている。

「あ~ん。もうちょっとだったのにぃ!!」

「帰りますよ。他のお嬢様方からの悪評がさらに増えますよ」

 良く周りを見てみるとこっちに視線が集まっているぞ。

 少しだけ声も聞こえるぞ。

「ほら、あの方は殿方からのお誘いは断って少女ばかり愛するというあの......」

 な゛......このお茶会にはまともな人がいないのか!? と思ったけどこの後会話した人たちは意外とまともだった。

 美少女成分もしっかり補給できたけど明日からはまたあの地獄(お見合い)が始まると思うと憂鬱な気分だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る