第4話 かわいい子は男の子

「チャーリー王子殿下。アイネ姫殿下をお連れしました」

 今度は小さめの男の子だ。とは言えそれでも僕より身長は高い。

 可愛い系のショタっ子系キャラか。

「はじめまして。アイネ姫姉ちゃん。ぼかぁチャーリーって言うんだ。よろしくね」

「姫姉ちゃん?」

「だってアイネ姫姉ちゃんはぼかぁよりも5つも年上だもん」

「な゛......?」

 こんな年下の男の子に身長で負けるとは!?

 なんで異世界でこんな惨めな気持ちにならなければならないんだ!!

 というか何でこんな年下の子供がお見合いなんてしているんだ。

 異世界には児童ポルノ法とかないんですか?

 僕の主観だが犯罪の匂いしかしないぞ!!

「お庭を散歩でもしてきたらどうですか?」

 メイド長は2人の距離感を見て提案をしてくれた。

 散歩なら健全か......とりあえず犯罪臭がするようなことは避けよう。

 早速庭に出たが、やはりヒールを履きなれていないので足が痛い。

「アイネ姫姉ちゃん。手、つないでいい?」

「ちょっと待っててね......」

 僕は玄関で待機しているメイド長にある質問をしに行く。

「少年の手を握ったら逮捕されたりとかしないですよね?ほら少年保護団体的なところに」

「あなたは何の心配をしているのですか、姫様......?」

 この反応を見る限りそんな法律はないようだ。

 僕は再びチャーリーの元に戻ってさっきの返事をする。

「うん。手をつなごうか」

「わーい」

 なんだか保育園で子供の相手をしている気分になる。

 年上のイケメンと手を繋ぐよりも、相手子供な分気持ち悪さは感じない。

 言うまでもないが恋愛感情は全くない。

 少し歩いたところでチャーリー王子に手を引っ張られる。

「ねぇねぇ、アイネ姫姉ちゃん。ぼかぁと結婚しようよ」

「いや、結婚とか無......」

 はっ......突き刺さるような視線を感じる。この視線はむげに断るなという合図か......何となく分ってきたぞ。

 横目であたりを観察する。するとメイド長が木の蔭からこちらを見ている。

「ちょっと待っててね......」

 僕は木の蔭でこちらを観察しているメイド長にある質問をしに行く。

「さすがに結婚はまずいでしょ!! 少年保護団体的なところに逮捕されちゃうって!!」

「だからあなたは何の心配をしているのですか、姫様......?」

 僕は再びチャーリーの元に戻ってさっきの返事をする。

「えぇっと......そう! 結婚とか難しい話まだよく分らないなぁ。もっとお互いのこと知り合ってからの方がいいんじゃないかな」

「そっかぁ。じゃあぼかぁもっとアイネ姫姉ちゃんのこと知らなきゃだね」

 ニコッと笑った少年の笑みは子供の無邪気さを感じるからこれも気持ち悪さはない。

 つーか何でこんな子供なのに結婚したがるんだよ......誰だよ見合いに出したやつ。頭おかしいだろ。

 結局この後庭を一周して足が痛くなった。

 何が悲しくて子供と2人きりで遊ばなければいけないんだよ。

「アイネ姫姉ちゃん。バイバイ」

 チャーリー王子は笑顔で帰って行った。逆に僕はひきつった笑顔で見送ってしまった。

「バ......バイバイ」

 あー疲れた。

「じゃあ3人目行きましょうか?」

 鬼ですか? メイド長? 休憩時間すらないのかよ。

 メイドたちが後ろで目を光らせて待機している。

 僕は抵抗しても無駄だと悟ってメイドたちに服を着替えさせられてしまった。

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