第14話 テンプレ 定番とは…………

 アリスから、日用品と服、食料などが届けられるようになり生活は非常に豊かになった。


…………


そして、今日も


石鹸の販売をしている。


異世界ファンタジーの定番 成り上がりには必要なそうだ。


意味が分からない。



 日々 億単位の収入を得る事が出来る一族の者達が


手作り石鹸を作り、私に卸してくれる。


原価9割


売っても売っても、儲からない。


残るのは小銭のみ 石鹸販売を止めて鉱山にもどって採掘したい。


鉱山採掘も金銭的には儲かる事は無いが、魔力が鍛えられる アリスとの戦闘で実感させられた、私は成長していた。


しかし、 し か し  石鹸売っても鍛錬にはならない!!


「ありがとうございます」 「3個ですか、ありがとうございます」


いや~~!!


好評だな~~ この石鹸


有れば有るだけ売れる


泡立ち、汚れの落ち 使用後の清潔感共に最高だそうだ!!


 石鹸の販売開始時には


アリスが私を見て


「これが、ジャパニーズ異世界テンプレ!! デカルチャー!!」


と、恐れおののいていたが


今や石鹸の卸代金を私から回収して、そのままその代金で異世界買い物にせいを出している。


 私はいつのまにか、異世界通貨の回収窓口になっているようだ。




石鹸売りの仕事は私に何の利益にもならない 


しかし、私は感じる 知ってしまう


ミコ様の深淵を


石鹸を買っていく この街の皆さん


宿屋のおばさん 武器屋のおかみさん 女性冒険者 そして あやしい商人のみなさん


私は、街で石鹸屋の兄さんと呼ばれ 僅かな期間で知らぬ者がいない存在となっていた。


 そう、私は異世界のこの街の 本当の意味の住民になったのだ


この、街の住民と石鹸の販売を通じて触れ合う事での真の異世界住民となったのだ。


裸の住民が闊歩する街 ダンジョン ヘルズホールの街 


私がこれから、ミコ様と共に生きる街 世界


 

 エデンのリンゴを食べなかった子孫の世界


  

  終末のエデン




 神々が見捨てた世界


 ミコ様が拾われた世界



世界は神々が視聴する事によって存在のエネルギーを得る


ミコ様が、降臨して その視聴を回復し存続を許された世界



 ミコ様は言われる


「私が死んで神に転生して、数百億年 世界の始まりから終わりを無数に無限に見てきた しかし やっぱり現代地球の文明が一番しっくりくるんだよね だから 世界を再構築して現代の地球を作ってもらって正解だったよね」


 ああああ、神


世界はいつも5秒前に創られる


過去は無く 未来も無く


ただ、神の心のままに世界は存在する 



  エデンもまた存在し リンゴも存在した



私は、これからもミコ様と共に在る事を



  ミコ様に願う


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転生したら、裸族美少女に誘拐され、終末世界に拉致されました。 田中 幸樹 @takoyaki1226

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