第7話 マッグ バーガー作戦

 地平線から日が昇る


屋敷と広く手入れの行き届いた庭園に光が差す



 私が趣味で購入し整備させていた VTOL 垂直離着陸戦闘機 ハリアーGR.3も朝日を気持ちよさそうに浴びている。


”マッグ バーガー 作戦”


その立役者だ、昨晩緊急出撃し朝日に追われるように帰還した。


作戦は、困難を極めた。


深夜に始まった緊急作戦、実戦部隊を投入し閉店中のマッグを占拠。 


そして、マッグクルー経験者に調理させた。


マッグ周辺の治安機構への、根回しも間に合わず戦闘に突入。


銃撃戦の中、マッグハンバーは無事確保され、ハリアーGR.3に渡された。



 今、庭園にてミコ様は朝日に照らされながら美味しそうにマッグ ハンバーを召し上がられている。


作戦の後処理費用は、たぶん飛んでも無い金額になるだろう。


それでも、私は満足感に包まれている。


満ち足りた空気の中、ミコ様の傍に泰然と佇むラオ様が。


「うむ、俺も食べたい」


「兄さん、…………遅いよ、…………もう 残ってないよ」


クワ!! 私は大きく目を開き


「第二次 マッグハンバー作戦を開始せよ!!」


慌ただしく、周りが動き出すと


「じゃ、そろそろ ミューが怒るし帰ろうか」


「うむ」


3人が歩き出し、黒い靄の中に消えていった。


え、  え!!





 私は屋敷の戻り、第二次 マッグバーガー作戦の指揮行っていた。


勿論、黒い靄の傍でバーガーが届くのを今か今かと待つ。


ラオ様の希望のマッグバーガーが届いたたら、すぐに靄に飛び込み追いかけるつもりだ。


リチャードが声を掛けてきた


「ジョンお爺様、…………アリスは何処に行ったのでしょうか?」


「ああ!! ミコ様とラオ様に普通に付いて行きよったわ!!」


「???…………そ、そうですか。 あと、庭の隅で転がっていた 裸の男ですが、どうすれば?」


「!!!! それは、私だ!! すぐここに丁重に持ってこい!!」


「???…………、わかりました」


…………


「連れて参りました」


…………


ああ、若い私の身体


まるで、希望に駆けるように脈打つ鼓動 閉じた瞼の裏には未来を映し出しているのだろう………… ああ、 私の 身体 


周りなど気にせずに、私は眠りに就く私を頬刷りしていた。



「マ、マッグバーガーが到着しました」


恐る恐る私に、リチャードが声を掛けてきた。


リチャードからマッグバーガーが入ったビニール袋を受けとり、私は魔力の出力を上げる、肉体に細胞に魔力を更に濃く滲ませて強化する。


「ウンガ~~~!!」


私の若い肉体を担ぎ上げる


さすが、私の若い肉体 重い しかし それが 良い!!


「ウガ! ウガ! ウガ!」


私は一歩づつ、靄に向かって歩く そこには 未来が有るはずなのだから






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