第41話 「ほんとうのねがい」

やくそく


だまってきえない


いなくならない


やくそく


さいごまでいっしょにいてくれる


みおくってくれる



うれしいな


あたたかいな



だからじっとまってる


かえってくるまでまってる



ふしぎだな



うれしいな


あたたかいな


きらきらしたきもちになるたび


はずんだきもちになるたび


すこしずつおもいだす


すこしずつことばがふえる


たのしいとしあわせが


たくさんあふれる



あのひとも


そうだったらいいのにな



ああ


すこしおもいだした



きらきらかがやいてるすがたに


いつもいつも


しあわせをもらっていた


がんばってるすがたに


いつもいつも


げんきをもらっていた


そして


いつもいつも


あのひとのしあわせをいのっていた



ああ


すこしおもいだした



しあわせなきもちをくれて


げんきをくれて


ありがとうのきもちをいっぱいこめて


おてがみをかいていた


つたわるといいな


よんでくれたらうれしいな


ただただ


そうおもいながらかいてるじかんが


しあわせだった


そういうきもちになれるじかんが


だいすきだった



でも



とじこめた


みえないところへおしこめた


すきっていうきもちに


ただただ


しょうじきでいたいじぶんを


みないようにした



でも



そんなのほんとはいやで


ぎゅうぎゅうにおしこめられても


ずっとずうっと


なんどもなんどもなまえをよんで


まだここにいるよっておしえていた


すきがうまれたときのきらきらを


だんだんわすれてしまっても


ずっとずうっと


まだここにいるよっておしえていた



けれど



ほおっておかれたすきっていうきもちは


まっくらなへやのまっくろなはこのなかに


おしこめられたまま


みないように


かんじないようにして


おきざりにされたまま



まだここにいるのに


ちゃんときもちはここにあるのに



そんなのほんとはいやで


ずっとずうっとてをのばしつづけていて



そうしたら



まっくろなはこがひらいて


とびだしてしまった



とびだしたそのさきにあった


そらへのおてがみ



きっときづいていないけれど


ちゃんととどいていたよ



ほら



だから


ここまでちゃんと


とんでこれたよ



そうしてうけとった


そらからのおへんじ



きっときづいていないけれど


ねがいはかなうよ



すきっていうきもちの


ずっとおくにたいせつにしまってあったのは


きらきらかがやいてるすがたに


いつもいつも


しあわせをもらっていたこと


がんばってるすがたに


いつもいつも


げんきをもらっていたこと


そして


いつもいつも


あのひとのしあわせを


ただただ


それだけをいつもねがっていたこと



すきっていうきもちの


ずっとずうっと


そのさきにあったのは


とくべつになることなんかじゃない



ただただ



たいせつなひとのしあわせを


それだけをいつもねがっていたこと



ほんとうのじぶんが


こころからのぞんでいた


ほんとうのねがいが


ほんとうに


かなうよ

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