第50話 ドスケベライガーナツ
「ナツ、髪伸びたねー。結べるんじゃない?」
「ね、切ろっかなー」
肩よりも大分下に伸びた。
女子力大幅アップである。
「……ハナ、どうしたの?」
こちらを見つめてくる……大きな瞳、長いまつ毛。
いつ見ても可愛い。
「ナツ可愛くなったよね。出会った頃から可愛かったけど……なんだろう、すごく好き」
「私も大好き。ハナに嫌われたくなくて……私、ハナ好みの子になれてるかな?」
「ふふっ♪ 顔も声も心も身体もぜーんぶ好みだよ」
なんて言い合って、おでこ同士をくっつける。
幸せ。
「そろそろ文化祭の準備だよね。ナツのクラスは喫茶店かー、いいなぁ。私のクラスなんか、我が町の歴史資料館だよ」
「あははっ、そっちの方が中学生らしいよね。私達はハロウィンが近いからハロウィン喫茶をやるって言ってたけど、どんなのかな?」
◇ ◇ ◇ ◇
【と言う訳でコスプレ接待に決まったな】
中学生だよね?
コイツら何考えてるんだ……
【男など所詮下半身に脳味噌がついている下種者よ】
まぁね。特にお盛んな時期だし。
「いやーコスプレかー。夏は何着る?」
「っていうか女子だけなんだね。男子は何するんだろう」
「裏でクレープとかパフェを作るんだって。私コスプレなんてした事ないよ……」
「キーちゃんはドスケベくノ一とか良いんじゃない? そそるぞー」
「ど、どすけ……はっ、恥ずかしくて無理だよ!?」
コスプレね……
なにがいいのかな。
◇ ◇ ◇ ◇
【淫魔!! ドエロイサキュバスを頼む!!】
無理だっつーの。
中学生の文化祭だからな。
【ギリッギリの紐パン紐ブラで翼と尻尾。あぁああ゛ぁ堪らんんん!!!】
制服にエプロンとかでイイよね。
【お主フザケてるの?】
こっちの台詞だわ。
「ナツー、コスプレするんだって? いーなー。何着るの?」
「白河さんの親が衣装作ってる会社だから、男子が考えて頼むって言ってたけど……」
「楽しみだね♪」
【だね!】
はぁ……
◇ ◇ ◇ ◇
「な、なんだよコレ!!? ホントにこれ着るの!?」
【エッッッッッ!!!】
「夏見てみろー、私はチャイナドレスだぞー。ホレホレ、この腿なんか厭らしいぞー」
「わ、私恥ずかしいよ……魔法使いなのかな……? スカート短すぎるしお胸の所は穴が空いてるし……」
「キーちゃんドスケベだなー。夏は……何それ?」
「これ……ライオン? っていうかほぼ裸に近いよね……」
【タグにはライガーって書いてあるぞ。堪らんですな】
もしゃもしゃとした物で胸と股が隠れている。
紐パン紐ブラにファーが付いたような。
手足は猫の手みたいになっていて、あとは耳と尻尾が付いている。
誰かさんの要望通りだな……
八割方肌が露出している。
よく許可したな、こんなもん。
「うひゃー、夏エッロ。最近色気出てきたからヤバいなー。こりゃ股間抑えるのに必死だな!」
「わー……私まだマシな方なんだね……でも夏ちゃん凄く可愛いよ。恥ずかしいけど一緒に頑張ろうね♪」
そこへ白河さんがやってきた。
なにやら罰の悪そうな顔をしている。
「葉月さんごめんね、その服なんだけど大人のお店で頼まれたやつとゴッチャになったみたいで……でも似合ってるからいいよね!」
良くないけどね。
と言う訳でドスケベライガーナツの誕生である。
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