第二章 変わり始める互いの世界
互いの世界に交流を
(この後、ステファニアの世界かぁ、あっちは勉強ばっかりなんだよなぁ)
ステファニアが読んだり書いたりしているのだから、意識を読んで、意味は分かる。しかし、
小学生が、ある日突然、高校で授業を受けているようなものである。
もし、逆の立場なら、ステファニアが
そうこう考え事をしていると、徐々に意識が遠のき始めた。
*
「
目の前に居たのは自称神様、スキカであった。
あの、テーブルと椅子とティーセット以外何も無い空間、あの、ミーティング空間である。
スキカは目の前の紅茶もどきに口を付けた。
それを見て、
「我は雑用に
スキカの前には立体画像が、超早送りで再生されていた。スキカは速読法ならぬ、高速に動画を理解できるようである。
「なっ!」
スキカは驚愕していた。
「は、掃き出し窓の魔法は習得したばかりであったな」
「えぇ。そうですわ」
コクリと頷くステファニア。
「経験が浅いのにここまでできるとは…」
スキカは冷静さを取り戻し、また
「実感はないようだが、二つの魂の運用自体は上手くいっているようでなによりである」
また、スキカはカップに口を付ける。この人、特にカップに口を付けるタイミングとかにはこだわらないらしい。
「しかし、普段より、ここに居るとかなり緊張しているように見え口数も少ない…
というか必要最小限の事しか語らぬ…
ふむ。そういうことであったか」
そうスキカが言うと、スキカから常時放たれていた威圧的な
「これで、少しは話せるようになったかな?」
これは嬉しい配慮である。少し時間をおいて、慣れれば普通に会話出来そうだ。スキカは結果に満足し、続きを話す。
「まず、二人にはもう一つずつ体をやろう。
前回作成した魂は、その体に入れるために作ったのだ。
そして、互いの世界に送り込んでやろう。そこでだ」
二人はつばを飲み込んだ。
「二人には互いの世界には
ポカンとする二人。少し考え、
「そんな、人間が突然現われて、周りが納得するはずがない。
特に国籍が無いんじゃ自由に活動なんかできっこないし信用もされない。
この計画は破綻している。もし、異文化を広める事ができたとして、世界は大混乱になるんじゃ…」
「見くびるでない。その
魂を用意したり、体を用意したり、スキカはやはり、人知の及ばぬ生物のようだ。彼ができるというなら信用しても
「それと、我が忘れな… ゴホン、我と二人の間に細いリンクをはってやる。我といつでもコミュニケーションがとれる故、便利だぞ」
(この人、僕ら等の事、忘れてたって言った… 言いかけた!)
「分かりましたわ」
「分かった。僕らの事、忘れないでね」
忘れられて放ったらかしにされ、調整もされずに世界が大混乱に陥ったら大変である。了承する二人であった。
「それでは前回名字と名前を考えておいて欲しいと頼みましたが決まりましたか?」
「
「アントネラ・オーフィールという名前を考えました」
「良い名前です。それではそれでいきましょう」
何の名前かは知らないが、了承されたようだ。二人ともほっとした。
「それでは我が要件は、今回はこんなものかな。何か質問は?」
すると、
「魂を同期しました。そのせいだと思うのですが、寝ている間に起きているステファニアに僕の意識も入り込みました。時間が短かったから何とかなりましたが、これってプライバシー
「
すると、スキカは、
「今回寝ている間に起きている方に意識が入り込んだのは、新しく作った魂が、体に
この答えに二人は安心し、
「魂を同期し、相手の記憶が分かるということですが、これって、見ようと思えば相手の絶対隠しておきたい秘密なんかも見ることができるということですか?」
「見れる、見れないで言えば見ることが可能だ。しかし見るためには相手の記憶を相当探さなければならず時間がかかる。なのでそれ相応の労力が
「簡単に見られないということで安心しました」
「見ないでよね」
「見ないよ」
「他に質問はあるかな?」
「いえ、大丈夫です」
「特にありません」
根本的な事、
「それでは今回はこれにてお開きにする。またこれからもミーティングを開く
どうせ強制参加じゃないかと一人思う
ゆっくりと体を起こす
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