第3話 冒険者登録しにギルドへ
馬車が準備されており、私とアリスは馬車に乗り込み王城を出て、まずは武器防具屋に向かった。
冒険者なら徒歩で向かうべきなのだろうが、王女と下位貴族の男爵家の令嬢とはいえ貴族なのだから馬車での移動は仕方がない。
武器防具屋で、私は剣と防具を購入、魔法メインのアリスは杖と予備に短剣、ローブを購入した。
私が購入した剣はローズナイト王国など多くの国で一般的なロングソードと呼ばれる両刃の剣ではなく、東方にある島国の剣で刀と呼ばれる片刃の剣だ。
見た目も美しく惚れ込んで刀を使いたいと思ったのもあるが、剣技を教えてくれた近衛騎士団長とSランク冒険者で目標にしていた亡くなってしまった叔父の剣が刀だったので、使いなれているというのもある。
近衛騎士団長は普段は両刃の剣を差しているし、使用しているし、私もロングソードでの剣技も学んだので、使えないわけではない。
私の防具やアリスの杖やローブはこれから登録に行くような者が身に付けるような物ではなく、高ランク冒険者が身に付けるようなレアな素材が使われていたり、付与がされている高価な物だ。
この格好で登録に行ったらお遊び半分の貴族だと悪目立ちしてしまうだろうが、仕方がない。
そんなことを考えていると馬車が停まったので、どうやら冒険者ギルドに到着したようだ。
「アリス。馬車での移動、そしてこの武器と防具で悪目立ちするでしょうが、冒険者になり来たのですから気にしすぎずに落ち着いて、ギルドに入り試験に二人とも合格し、冒険者になるますわよ。」
「はい。マリン。」
覚悟を決めて馬車から降り、登録するために二人で冒険者ギルドの扉を開けた。
中に入るとやっぱり皆がこちらを注目し、何やら話したりしているようですね。
「見ない顔だな。」
「すげえ。高そうな装備だな。」
「他のギルドから来た高ランク冒険者か。」
「それにしては、年齢制限がないからとはいえ若すぎるだろう。」
「二人ともかわいいし、いい体してんな。あとで声かけてみるか。」
「お前じゃ無理だよ。俺でギリいけるかだな。」
「お前でも無理だよ。」
やはり若い女性二人、身に付けている装備、悪目立ちしますよね。
女性だからか、下世話な話をしている方もいますね。
まあ、とりあえず登録するために受付にいきましょう。
そうして、二人で空いている受付に向かった。
「すみません。」
「いらっしゃいませ。どのようなご用件でしょうか。」
「私たち冒険者登録しにきました。」
受付嬢に冒険者登録しに来た事を伝えた。
すると……
「おいおい。登録しに来たんだってよ。あの装備で登録しにくるとか、お遊び半分で冒険者をなめてるどこかのお貴族様の令嬢か。」
「だろうな。」
「そんなに冒険者は甘くないつうの」
登録しに来たと聞いて、好き勝手言われてしまってますね。
仕方ないですが……
「冒険者登録ですね。かしこまりました。こちらの用紙に名前とわかるのであればご自身の適性のある魔法属性を書いてください。
わからなくても、書かれた事が正しいかを鑑定しますので、大丈夫ですけどね。」
書き終えると受付嬢に用紙を提出した。
「ええ、五属性にこちらは全属性」
書かれた用紙の内容を確認した受付嬢が驚いて叫んだ。
個人の情報を受付嬢が大勢の前で叫んじゃダメだろう。
「五属性に全属性持ちだってよ。」
「お貴族様で決まりだな。」
「自分の属性を知って、学園で学んで、他より飛び抜けてたから学園卒業したから調子にのって、登録しに来た口だな。」
ほら、叫んじゃったから私たちの持っている属性を聞いた人たちが、また好き勝手言っているじゃないですか。
冒険者になるのに年齢制限はないので、平民は富裕層や優秀でない者は学園通わず働き出すので、登録するが、学園に通っている者は王族や貴族の令息、令嬢ばかりなので、学業が疎かになったり、万が一があったら問題なので、学園在学中は登録出来ず、登録は卒業後と決まりがある。
「失礼しました。叫んでしまい情報を漏らしてしまい申し訳ございません。
では書いていただいた事が正しいか鑑定しますので、お一人ずつこちらの水晶に触れてください。」
学園を卒業していれば、学園で鑑定するので、適性を答えるだけで、昔は再鑑定は必要なかったのだが、過去に学園を卒業した貴族の令息が一属性しか使えないのに登録時に三属性を記入し、登録後にパーティーに所属したが、魔法攻撃でしか倒せない魔物の討伐依頼に参加したことで、大怪我をして依頼に失敗したということがあり、調べてみたら一属性しかなくしかも無属性だったために魔法攻撃ができなかったということらしく、誰も死ななかったがこういう事が二度と無いように言ったことが正しいか再鑑定するように決められたらしい。
「お二人共、ありがとうございました。属性は間違いありません。
続いて、演習場での登録試験を行いますので、あちらから演習場に向かってください。」
「「わかりました。」」
そして、私たちは演習場へ向かった。
登録試験を他の冒険者が観戦できるギルドがあったりするみたいだが、ローズナイト王国の王都にギルドでは、観戦できない決まりになっている様で、ギルド内に居て、色々言っていた冒険者たちがついてくることはなかった。
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