第3話

流花のスペックは日々上がり続けた



比例して僕の傷も増えていった



「卒業前に死ぬんじゃねーのかお前」


東中野にしては珍しく、飄々とした口振りでなく真面目な口調であった




「ちょっとした地雷どころじゃないんじゃーの、もう」



「多分そうなんだろうなー。比べる対象とかないから分からんけども」



「おいおい、呑気な当事者だな 」



実際、呑気な自覚はないが習慣や慣れとは恐ろしいもので、現状を打破するなど改善するなと頭になかった



「とりあえず、何かしら新しいことをさせて少しずつ変えていけよ。YouTubeとか手っ取り早い。あの子の容姿ならファッションや美容系のチャンネルつくれば結構見るやつもいるだろう。少なくともこの学校のやつらは見るだろうから、再生回数に悩んですぐ断念する事はないだろ。」



驚いた。


軽口を叩く東中野が深刻に捉え考えていてくれたことに



「そうだな、お言葉に甘えてその案を提示させてもらうよ」


「そうしてくれ、ほんとにある日突然訃報なんて気聞きたくねーよ流石に」


半分笑って、半分本気の口調だった




早速その日、流花にその案を提示した



秒で却下



画面の外の知らない連中などどうでもいいし



との事で




しかしながら、友人が心配してくれての提案


ダメだったで片付けたくはなかった



やるだけやってほんとにつまらないなら辞めればいい、せめて少しだけでもやってくれ


小一時間説得して、ようやく渋々折り合いがついた



流花は、僕という彼氏が居てもなおも人気がある


男だけでも知れば見る、と東中野は流花に知られないように学校の連中に流花のYouTube開設を水面下で宣伝していた



見事にチャンネル一回目で数字がついた



取り留めないファッションや、メイクの話そんな感じで1時間程度ではあるが成功した



「少なからず、これで少しは地雷タイムが減るだろ。これを取っ掛りに少しずつなんとかしてけよ」


大きな借りをつくった、東中野には頭が上がらない



こうして、乗り気でなかった始まりではあるものの、流花は順調に回を重ねること事に再生回数を増やしいっぱしのYouTuberとなった



やがて学校の外にも広がり、モデルの話や再生回数のあるYouTuberからも声がかかるようになった



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