第13話 世界が拓く

 「イレーネ…あいつは倒せたのか…?」

 「いくらスケルトンだと言っても、アンデッドだって言っても肉体がなければ、もう何もしてこないわ。」

 「そうか…じゃあ本当に俺たちは勝てたんだな。あ、後回復魔法とかかけてくれないか?あまりにも痛くてさ。」

 「あ!そうだったわね。キュア!」

 自分でも驚くほど痛みが体から抜けていった。全く痛いということもなく、寧ろこの感覚が癖になるほどだ。

 「ありがとうイレーネ。だいぶ楽になったよ。」

 「私にかかればこれぐらい楽勝よ!いつでも頼んでくれて構わないからね。」

 「それじゃあ、その時はしっかりと頼むからよろしくな。あ!そうだ、折角だし今日は奮発しようぜ!何でも好きなもの買っていいよ。」

 「それじゃあいろいろ買ってもらうわ。今言った言葉絶対忘れたとは言わせないからね。」

 「絶対忘れたなんて言ってやらないからな。」



 「あー、何でも買ってやるって言うべきじゃなかったな。」

 「仕方ないじゃない!言っちゃったものは仕方ないのよ。」

 「…ま、今日は祝賀会だ!だいぶ痛手だけど今夜は楽しもう!」

 こうして俺たちの冒険が始まった。しかし、それは今とは少し違う形で…




 「あれ?どこだここ?」

 「ふむ、いきなりここの場所を知りたいと言うのですか。さすがはえっと、なんだっけ。あ、そうそうユート君だ。」

 「…っ!お前は誰だ!俺に何をするつもりだ。」

 「質問は一つずつにしてくれないと。まあ、僕は優しいからちゃんと答えてあげるよ。

  まず最初の質問だけどここは魂の世界と言うべきかな。まあ、夢の世界とでも思っておいてくれ。

  それで次の質問は、えっと…あーそうそう僕が誰かってことだよね。僕の名前はシュオンさ。

  それぐらいしか言えることはないね。じゃあ最後の質問ね。それは君のことを僕たちの世界"セルジオ"へと連れて行くってことかな。それじゃあ少し乱暴に扱うからよろしくね。」

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