第7話 イレーネの判断

 「イデア様。お連れしました。」

 「ご苦労だった。下がってくれて構わない。」

 「それでは失礼します。」

 今、この場には2人の女性がいる。1人は金髪でまだ若い女性。もう1人は高貴であり、それと同時にとてつもないオーラを感じ取れる。

 「では、早速本題を話さそう。今日この世界に新たな人がやってくる。君は彼の者のバディになってもらう。」

 「私がバディを務めるのですか?」

 「あぁ、そうだ。何か問題はあるのか?」

 「いえ、そう言う訳ではないのですが…」

 「ならばよいではないか。では、彼の者の名を教えるとしよう。名はユートだ。」

 「ユートですか…それで彼はどうしてこの世界に来ることになったのですか?」

 「それはまだ言えぬ。しかし安心しろ。彼の者は自分でこの道を望んだ。だが君にとってもいきなりのことだ。少しの間待つとしよう。準備ができたら声をかけてくれ。」

 「分かりました。では失礼します。」


 イレーネは部屋に入った途端に座り込んだ。彼女は途方に暮れていたのだ。

 「はぁ、私がバディか…荷が重いな。それにイデアさんは何か理由があるって言ってたし…」

 誰かのバディになると言うのはなかなか簡単になれるものではない。そして大きな責任を負うことにもなる。それゆえに実力のある証拠となるのだが…

 イレーネはいかんせん「責任重大」という言葉は苦手だ。自分の所為でと考えてしまう節があるのだ。

 「うーん…やりたくはないけど、今からやらないって言うのもなんかな…」

 彼女は重い腰を上げ部屋を出る。一つは仲間に暫しの別れを告げるため。そして一つは


 「それでは行くのですね。では君を彼の者場所へと連れて行きましょう。」

 「はい、よろしくお願いします!」

 「君に幸運が訪れることを。」

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