第2話 俺は転生した
佑斗は体の動きが凄く鈍い気がしていた。
それもそのはず。なぜなら体の大部分が土に埋もれていたのだから。
「目が覚めたらいきなり土に埋まってるとか…てか、なんかこれ植物になってね…?」
佑斗の体は薄茶色で根が3つに分かれていた。人間でいうところの腕2本と体部分だろう。頭からは大きな葉が2つ生えていた。
「あーなんで植物なんだよ。せめて動けるやつがよかったんだけど…」
そう嘆きながら周りを見てみる。
普通の植物と比べて目線がおかしいような気もする。
そんなことよりも明らかに自然物とは言えない物があった。
あれってもしかしてガラス…なのか?そんなことを思っていると目の前にテキストウィンドウらしきものが現れたのと同時に頭の中に機械的音声が流れてきた。
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あなたの名前を入力してください。
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「え!?ちょっと急にいろいろあったせいで心臓バックバックなんだけど。それに名前入力してって言われても身動き取れないし…あ、もしかしてそういうことか?」
腕らしき根を垂直に上げてみる。すると土から簡単に抜けた。
「よし!とりあえず片方抜けたし入力するか。」
名前には『ユート』と入力した。
この名前にした理由というのがあるわけではない。けど昔からの癖というべきか、ずっと名前は『ユート』でやってきた。だから名前を普段と変える、なんてことは考えてすらいなかった。
「うん、入力したのに特に何も言われないのね。まあ、仕方ないか。」
そう呟きながらもう片方の根を抜いた。
それに続いて真ん中の根も抜いた。
「これで身動き取れるしちょっと下見てみるか、あ?」
長く続いていると思った地面は半径10cmほどで下を覗いたらやはり浮いていた。いや、浮いているのか円柱状になってるのかは分からないが…
もっと下を見ようとしたが何かにぶつかった。
「いった!いや、見えない壁にぶつかったら電流とか聞いてないんですけど。これってもしかして、魔法とかそういう類いのやつなのか?じゃあやっぱり!異世界転生したってことか!?」
そう思い喜んだのだが、自分が今置かれてる状況のせいで全く喜べない。今の状況だと監禁されてるようなものだ。
ここから出る方法も分からないでいた。
「このまま考えてても仕方ないし、なんかほらステータスとかって見れるんじゃない?とりあえず念じてみるか!」
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