第4話 転生は夢なのか

心臓が波打ち息は荒げていた。身体中は冷や汗により冷えきっていた。

 しばらくの間、何も考えることは出来なかった。

 「…あれ?なんで自分のベッドで寝てるんだ?」

 自分の家と似ていたとしても見間違えることはない。確実に自分の家なんだ。

 その時察したんだ。今までのは夢だって。

 こんな夢滅多に見ることもないだろうから、簡単にノートに書き出すことにした。

 「ふぅ、とりあえず書き終わった。てか、学校遅れたらやばくね?」

 そう口にしながらスマホを見た。

 『7月27日 10:43』

 それだけが堂々と書かれていた。

 「え…?どういうことだ?日付までは覚えてないけど、6月だったよな…?」

 口に出したら少し落ち着くかと思ったけど、全くそんなことはない。

ただただ自分の身に何が起こったのかだけが気になった。

 それに、夢だとしたらどこまでが夢なんだ?

 学校で倒れてマンドラゴラに転生した。そして気味の悪い魔女らしき奴が俺をクスリに入れた。

 となると結論は学校に行った後が夢なのか、学校自体行っていなかったのか。

 俺は後者より前者の方が可能性高い気もするけど…それでも不思議なことはたくさん残る。

 なぜ、夏休みに入ったことを覚えていないのか。

 なぜ、目が覚めた時病院じゃなく家に居たのか。

 どのくらい時間が経っただろうか。ずっとこのことを考えてたせいで時間の存在すら忘れていた。

 思い出したのは腹の虫が鳴いたおかげだ。

 「あ、そうだ。食べ物もなかったかもしれないから買いに行かないと。とりあえず服は…ま、なんでもいいか。」

 階段を降りて思い出した。

 「あ、財布持ってきてねぇや。」

 少し面倒くさいと思いながら階段を登る。

 その時リビングのドアが空いた。

 「あら、やっと目が覚めたのね。よかったわ。お昼ご飯一緒に食べる?」

 俺は愕然とした。見知らぬ金髪の女性が家にいるのだから。

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