第10話

 その日から、また伯生さんの態度が冷たくなった。明らかすぎるから、もしかしたら私は彼の地雷を踏んでいるのかもしれない。

 でも、何かわからない。



 風鈴がリンリン鳴いている。

 どうしたらいいのかわからず、私は縁側に座って眺めていた。

 何も考えず、風に揺れる葉っぱとか雲とか見ていた。


 お昼近くになって、いい加減暑いかもと考えていたら、風に乗っていい匂いがしてきた。

 キッチンの窓が開いてるらしい。

 フラッと行ってみると、豚汁の鍋がテーブルに乗っていた。

 お腹が空いたから食べたいと思ったけど、周りに伯生さんがいないかな?


 食べたいけど、食べてはいけない気がした。


 よくわからない動機がして、私は二階に駆け上がった。

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