第4話、理想の国

1件目は西の山に住み着いたドラゴンの討伐だ。


ここは、エアリアルが重力魔法でドラゴンの動きを封じ、ライディーンが首を落とした。

亡骸はマーリンの無限収納に取り込む。


そのまま瞬間移動で北の氷山にいき、スノーモンスターを討伐する。

この程度のモンスターは勇者ライディーンの火炎魔法で一発だった。

これも収納に保管する。


次は東の迷宮にいるミノタウルスだ。

これはエターシャの土魔法で串刺しにして終わらせる。

これも収納で保管。


最後は南の海のクラーケン討伐だ。

これはライディーンの雷撃で一発だ。


所要時間は全部で2時間。

瞬間移動で冒険者ギルドに戻った。


「4件終わりましたが、獲物はどこに出せばいいですか?」


「えっ、こんな短時間で終わったんですか?」


「瞬間移動がありますからね」


「倉庫へお願いします」


倉庫へは大勢がついてきた。

一つ出すたびにどよめきがおこる。


「す、すごいですね。

査定させますので、応接で少しお待ちください」


「その間に用事をすませてきます。

この町の孤児たちの施設はどこにあるのかしら」


「それでしたら教会になります」


「ああ、あの高い建物ですね」


「はい」


「じゃあ、私とエターシャで交渉してくるから、こっちはお願いします」


「うまくやれよ」


「大丈夫よ」


アーチャとエターシャは教会に行き、司祭に面会を求めた。


「突然ごめんなさい。

実は、こちらの子供たちを引き取りたいと思います。

私たちで新しい町を作りましたので、そこの住人になってもらおうと……如何でしょうか」


「あなた方の作った町といわれましても……」


「それは、実際に街を見てもらってからでかまいません」


「そこで何をさせようというのですか」


「いきなり働かせるわけではありません。

相応の教育をして、仕事は自分で考えてもらうつもりです」


「そんな夢みたいな話が……」


「資金はあります。

今ギルドで査定中ですが、4件のSランク討伐を完了してきましたので、最低でも金貨2000枚。

少ししたら魔王討伐に出ます。そこでも金貨数千枚になるでしょう」


「そのお金で贅沢な暮らしをされればよいのでは」


「自分たちが贅沢をするのならいくらでもできます。

私たちは、理想的な国を作りたいのです」


「国?」


「貧富の差がなく、みんなが笑って暮らせる国です」


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