第2話、ハイクラス魔法

勇者、ライディーン

賢者、マーリン

魔法使い、エアリアル

軍師(策略家)、アーチャ

経理士、マニ

メイドマスター、エターシャ


この6人は、かねてより準備を進めて来ており、この土地は十分に吟味を重ねたものであった。

だが、開発申請を行ったのは、山一つ丸々である。


こんな場所を、どう開発しようというのだろうか……


「じゃあ、マーリン、エターシャお願い」


そういったのは軍師であり、王子から婚約破棄を告げられたアーチャである。


「ホントにやっちゃっていいんだね」


そういうと賢者マーリンは山を丸ごと無限収納に格納してしまった。


「次は私の番ね『レベリング!』」


これで、山のあった場所は石畳のきれいな更地へと変貌した。

レベリングとは上級土魔法で、メイドマスターのエターシャは土魔法を極めていた。

なぜメイドが土魔法など必要とするのだろうか。

簡単なことである、土を焼いて食器やレンガを作るためである。


そして、軍師アーチャの指示のもと、次々と石造りの建物が建てられていった。

町の中央からは地下水が湧き出し、石畳を避けて水路も作られていく。

水路は町の外側に流れ出し、予め掘られた堀に注ぎ込んでいった。


こうして、短時間のうちに町が出来上がってしまった。


「じゃあ、ゲントの王都にいって冒険者登録。

そして魔王退治だね。

みんな僕につかまって『テレポーテーション!』」


シュン!


6人の姿は、次の瞬間ゲント国王都の冒険者ギルド前にあった。

6人はそのままギルドの中に入る。


「すみません、冒険者登録したいんですけど」


「はい、こちらの用紙に記入してください」


全員が必要事項を書き込む。


「職業:勇者、ライディーン様ですね。

得意魔法は火と勇者系統。

魔力量を測りますのでこちらの水晶に手をあててください」


「えっと、このノーマルタイプじゃ壊れちゃいますよ」


「えっ?」


「ここにいる6人はエクストラタイプでもコントロールしないと壊しちゃうレベルなんですけど」


「す、少しお待ちください」


受付嬢はそういって奥の偉い人のところに移動し、二人で戻ってきた。


「ギルドマスターのイライザです。

いまこのギルドにはノーマルタイプの計測器しかないので、直接魔法を見せていただいてよろしいですか」


「いいですよ。

じゃあ、町の外に出ましょうか」


「町の外?」


「街中でやると、死者がでますよ」


「わかりました」


「じゃあ、瞬間移動でいきますので、僕につかまってください」


「はい」


『テレポーテーション!』


シュン!


「ど、どこですかここは」


「北の人のいない場所です。

じゃあ、ライディーンから順番にやろうか」


「ほいよ」


バリバリ! ドカーン


「賢者、マーリン。風魔法いきます」


ゴー! 竜巻であった。


「魔法使い、エアリアルです。

3系統の複合魔法いきます」


ゴー! 火・水・風の竜巻だった。


「軍師、アーチャです。

闇魔法いきます」


シュン! 目の前の岩山が闇に飲まれて消えた。


「経理士、マニです。

私は演算魔法なので、あとでギルドの帳簿でも集計します。

魔方陣を使った光魔法と召喚魔法も使えます」


そういうと杖で地面に魔方陣を書いた。


『光あれ!』


キラキラーン 広範囲回復魔法だった。


「メイドマスター、エターシャです。

土魔法いきます。

『レベリング!』」


見渡す限り、平坦になった。

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