第24話 衝突事故

気を付けないと、即死したら時間が戻せない。

彼は2度の飛び出しーからの衝突事故で少しだけ懲りた。

(あまり懲りてない)


さて、もう他の手段が思い付かない。

待てよ?

衝突事故…?


…彼は閃いた。

賢明な読者の皆さんなら、彼が閃いた時点でろくでもない未来が想像出来る事であろう。

何しろ私(誰だ?)もそう思う。


彼は歩いた。

彼女が自転車で抜いて行く。

後ろからワゴン車が近付いて来た気配を感じた。

(今だっ!!)


彼は道路へ飛び出した。

急ハンドルで避けたワゴン車が、道路反対側の壁に衝突して止まった。

(ふふ、やってやったぜ…!)


「きゃぁぁぁ!大丈夫?ねぇ!大丈夫!?」

女の子の悲鳴が聞こえた。

ふと目をやると、さっき待ち伏せしてた時に彼を変質者呼ばわりした二人のうちの一人が、事故に巻き込まれていた。


(ま、まままままずいまずい、時間!時間、戻って!はやく!)


■そもそも先に車を潰したら、彼女は助けられた事に気が付かない

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