第5話 受け止めるには?

ヤバい、死ぬ…

そう思いながら、彼は慌てて時間を戻した。

即死しなかったのは幸運だった。


昇降口に向かって急ぎながら、彼は考えた。

どうやって受け止めたら良いのか?


一人では無理なら二人で?

2回目の時に声を掛けて来たアイツに頼む?

いや、何て言って頼むんだ?


「彼女が屋上から落ちてくるから、一緒に受け止めてくれ!」

…いや、無いな。


自分じゃない緩衝材とか?

そう言えば、ビル火災とかで飛び降りる人を受け止める大きなエアバッグみたいな…そんなもん学校にねえよ!


一人ノリつっこみしてる間に昇降口に着いてしまった。

とりあえず落下地点に向かうと、一階の教室のカーテンが視界に入った。


コレだ!!


冴えてる自分を褒めてやりたい。


幸い、施錠されてなかった窓を開けて、カーテンの裾を外に引き出す。

カーテンレールと自分の間で膜を張るようにした瞬間、上から例の悲鳴が聞こえて来た。

掴んでいるカーテンが滑らないように、端を腕に巻きつけながら広げた所に彼女が落ちて来た。


ブチブチバリグシャァ…


カーテンレール側からちぎれた。




■そもそもカーテンで車が持ち上がるような力に耐えられるかっていうね

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