第4話 受け止めた!

彼は少し時間を戻した。

同じように落下地点で彼女を待ち、今度は身体を張って受け止める覚悟を決めた。


上から彼女の悲鳴が聞こえ、彼は身構えた。

前回のように腕で受け止めるのは無理と悟った。

腕で受けながら身体を彼女の下に入れて、下敷きになりながら受け止める作戦だ。


狙い通り、両腕と胸の辺りで彼女を受け止め、彼は全力で頑張った。


が、ここで計算してみよう。

彼女の落下速度は秒速16.7mである事は既に算出した。

では、それを彼の胸の高さから地面までの約1mで止めようとするとどうなるか。

彼女を14Gで減速させなければいけないのだ。

彼女の体重が軽めに見積もって40kgとすると、640kgfの持ち上げる力を出す必要がある。


つまりどう言う事かと言うと、彼は全身を骨折しながら潰れた。

悲鳴すら上げられずに。




■軽自動車をエイっ!とひっくり返せるくらいのパワーが有れば大丈夫

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