第42話 人生の苦難の9割はノリで解決する
みんな元気~~~~~~??
俺はビックリするくらい元気。
許されることなら三日三晩宴を開いて誘拐監禁拷問セット記念日を制定したい。
鬱展開に巻き込まれるたびに心身が磨かれ浄化されまたひとつ上の段階へ導かれている感覚がする……。ひょっとしてエステでも受けていたのかもしれん……。
とはいえ奥歯は左右一本ずつ抜けっぱなしで生えてこないし、グチャっとした傷口は魔法を使っても綺麗には治りきらず、ところどころ傷跡が残っている。
むしろOKです。俺の古傷を見る度ひとさまの顔が曇るのだと思うと笑いがとまらねえよ。王宮の俺の庭にプールとか作って貰っちゃおうかな。
しかし仲間たちの曇り顔を思ってなんとか耐えたとはいえ、びっくりするほど痛かった。間違いなく人生で一番痛覚神経が大活躍した日だ。超過勤務にもほどがある。最高のご褒美があったとしてももう二度と……いや……もう一回……いやあと十回くらいなら……。
もう本当に楽しかった。心が躍った。
人生の中でこんな正統派残虐体験する機会なんてそうそうないでしょ。
しかもそれが清く正しく優しい少年少女とパーティーを組んでいる最中に起こるなんて、どれだけの確率だ?
これほどの幸運は俺の人生においても希少に違いない。
宝くじで高額当選してやっとこのレベルに到達するかどうかってところだぞ。
今回は見どころが多かった。俺の頑張りもめちゃくちゃあったけれどそれはまあ些事なのでどうでもいい。
まず非常に感受性が豊かで観察力に優れたルイちゃん。ちょっと吐きかけちゃってたのに涙目で歯を食いしばりながら治療をしてくれて、本当に良い子だった。
彼女はおそらくグロ耐性が低いわけではないのだが、なにせ賢いのでテーブルの上に並べられた器具と俺に付けられた傷の数々から、一体何がどんなふうに使用されたのか薄々察してしまっていたのだろう。
それでも自分にできることをやり遂げる不屈の精神が最高。折れない心が美しい。
次にレンくん。他二人と比べてまだリアクションが薄いというか冷静に見えた彼だが、内心はおそらく相当荒れ狂っていたことだろう。
なにせ彼は俺の兄さんであるアストレイと訓練をした際、ライアを守ると発言してしまっているのだから。
守れなかったねえ。ぼろっぼろになっちゃったねえ。男と男の約束を交わしたアストレイに顔向けできないねえ。
ねえねえ今どんな気持ち??
と聞きたかったが実行できるはずもなく、彼の心境には思いを馳せることしかできない。しかし見えないものを見ようとして手を伸ばすこともまた人生の醍醐味と言えよう。世界は見えるものだけでは出来ていないのだ。なんかこうそんなかんじだ。
彼にはローチくんの治療もしてもらったのだが、完璧にかすり傷ひとつなく治すところに生来の真面目さが出ていてよかった。
彼は仲間をぐっちゃぐちゃにした相手にすら無意識に情けをかけてしまうのだ。
精神的にボロボロに消耗しつつも絶対にへたり込まず、俺とルイちゃんとローチの間を隔てるように盾を構え続けていたその根性を俺は賞賛したい。
レンくんの、ハヤトは敵がどう動いても多分ぶっとばせるから守るのはルイとライアを優先する、という信頼感が垣間見える点も良いですね。
そしてハヤトくん。今回一番興味深かったのが彼だ。
裏表のない光属性バリバリの彼が、案外ダークヒーローの素質がありそうな子で意外だったな。教育によっては敵対者全員血祭に上げられる系主人公になりそうだ。育てないけど。
そういう意味ではローチくんとハヤトくんは、ある意味似た者同士だと言えるだろう。
一階の床を突き破って下りてきた彼と目が合ったあの時、俺は胸が震えた。
凄惨というより他にない室内の状況と俺の姿に目を見開き、ローチが侵入者に反応して一瞬で俺を殺そうと判断し振りかぶったノコギリを、それを見た後から床を踏みきって距離を詰めたというのに全く危なげなく弾き飛ばした。
俺は格好良い主人公が大好きな14歳なので、あの攻防を間近で見た時は痺れたね。
ふざけるな、という怒声はほとんど獣の咆哮のようだった。
普段きらきら輝く笑顔を浮かべている少年の、あの快活に喋る口から出たとは思えない殴りつけるような声が腹に響いて、もう楽し過ぎて鳥肌立っちゃったよ俺は。
そこからの、指示を出されたとはいえ全く躊躇なく敵の顎を砕き、大きな瞳からぼろぼろ大粒の涙を流しながら、震えの一つもない迷いのない手をローチくんの首にかけるまでの流れも本当に良かった。
最高だった。あそこでスタンディングオベーションしかけて途中からハヤトくんに対する制止に動きを切り替えた俺は褒められていい。心の底から賞賛してくれ。今年の助演男優賞を受け取る準備は出来ている。
やべやべ拍手しそうになっちったよと思いながらペラペラ話した結果、ローチくんをうっかり死なせることなく確保できたのは僥倖だったな。
俺は彼のことがめちゃくちゃ大好きだ。親友になれる気がする。鬱展開メーカーとして優秀すぎて愛おしいという理由もあるが、一番の理由は、彼が我が国ではまず確保できないであろう貴重すぎる人材だからだ。
ローチくんはあの後ギルベルトさんに運ばれて一旦兵士に引き渡され、身元が身元だったため諜報チームへと身柄を移された。その間彼は何をするでもなくニコニコ大人しくしていたという。
ターゲットの始末にも自決にも失敗して捕縛された場合の身の振り方というものを、おそらくローチくんは教育されていないのだろう。
何もしていないのは、何をする必要があるとも考えていないからなんだろうな。
ただ、どんな苛烈な取り調べを受けても、彼は自分の所属していた組織については口を割らない可能性が高い。
一応彼の特殊な生い立ちと性質について伝えてはいるが、なにせこの国はヌルいので、生半可な取調官じゃ彼の挨拶トークを聞いただけでダウンしてもおかしくない。
そういうわけで今回の取り調べは通常の役人ではなく、その道のプロが請け負ってくれることだろう。事件がセンセーショナル過ぎて内内に処理される可能性は極めて高い。
出来れば彼は死刑ではなく終身刑にでもして、身に着けてきた知識と技術の数々を犯罪捜査あたりに役立てて欲しいと俺は思っている。
今回の事件とローチくんを庇った一連の流れによって俺が得たものは、非常に大きい。
まず俺こと天使のような第三王子様という存在が、どんな相手も許してしまう、心優しく芯の強い人間だと示せたことが良い。
次に大怪我によって三人組にある種の罪悪感を植え付けられたことも素晴らしい。
おかげで俺は人格に対する信頼と、ある種のアドバンテージをいっぺんに手に入れたのである。
三人組との心理的な距離感は、お陰でいままで以上に近くなった。
この調子ならリッカくんが邪神に狙われた理由を、親友たちの口から聞ける日もそう遠くないだろう。
距離が縮んだと言えば、ハヤトくんの告白も最高だったな。
いやあ、なんでしょうねあの瑞々しい若さに満ちた苦悩は。良い子過ぎてちょっと心配になっちゃうよ。
自責の念とローチくんに対する嫌悪感が頭の中でごちゃ混ぜになってしまい、自分は仲間と一緒に居て良いのかと苦悩し寂しがる少年の曇り顔。
思いもよらなかったところから答えを示され安堵に涙をこぼし、意志を固めた決然とした顔との鮮やかな対比。よいものです。
彼のあの真っ直ぐさは誇っていいものだ。
俺なんてもう100回は脳内上映してペンラ振ったからね。
そんなわけで不憫で可哀想で邪悪な男は無事捕まり、少年少女は残酷な事件に胸を痛めつつも、それぞれがその強い心によってまた一歩成長を果たしたのだった。
ありがとう世界。俺は今日も楽しくて仕方がないです。
今回は俺の趣味関係以外では、邪神が確立のような曖昧なものも操られる、あるいは時間差でもお願い事を叶えられる、ということが分かったのも収穫かな。
聞いた話を総合すると、季節外れの魔獣に襲われ、護衛と馬を一時的に失い、チンピラに絡まれ、天幕に火矢が刺さり、林が延焼しかけ、強化魔獣が現れて町民が襲われ、倒したらそれにつられて更に鳥魔獣が現れ、誘拐事件に町民大勢を巻き込んで捜索したのになかなかアタリが引けない。という一連の不運が起きたようだ。
いや多い多いイベントの個数を絞れ。
これだけの数の偶然がもし全て邪神のお導きだったのだとしたら、それで普通に動けていたローチくんは実は魔力が多いのか、あるいは本人の申告通り元々幸運だったのかもしれないな。ピンポイントで邪神に会えたわけだし。
あと言ってないことってあったかな。
ちょうど兵士を引き連れてきたようなタイミングで帰ってきたギルベルトさんは、実は偶然兵士たちとかち合っただけで、今回の逮捕劇にはアドリブで参加してたこととかかな。
俺が甚振られていた間にミラベルさん以外の密偵たちが、アリアと協力して町に紛れ込んでいた犯罪者たちをあぶり出し、全員首尾よく捕らえたこととかもか。
このあたりの話についてはもう一言でいい。
アリアが万能すぎる。
本当にやべえんだよなあの変態。
俺が常日頃から移民街の治安の悪化をワクワクしてもとい心配して懸念していたことと、いざという時は可能な限り俺の身の安全ではなく仕事を優先しろという命令を踏まえて、彼女はローチくんだけでなく周辺一帯を綺麗に排除してしまった。
お陰で後ろ暗さの無いただの難民キャンプになったこの町へ、うちの国からの支援と保護をする準備が整ったのだそうだ。放置していては犯罪の温床になるから、適度に管理しようという判断なのだろう。
よく人道支援に回せるだけの金があるもんだ。うちの国はどれだけ豊かなんだか。
密偵をまとめ上げて彼等の持っていた情報を精査し、足りない分は自分で短時間で調べ上げ、それをもとに近隣の関係機関に協力を打診して計画を実行に移したその手腕は、賞賛されるべきものだ。
アリアが部下になった当初の俺は、女神様から神託が下るレベルの一大事に際して、実働部隊である俺に諜報員を一名しか派遣しないというのは不用心なのではないかと思っていたのだが、要するにうちの父上は一人で事足りるほどの最高峰の人材を派遣してくれていたわけだ。
これには頭が上がらない。いや変態送りつけられたんだから頭を下げられるべきなのは俺のほうだろふざけるんじゃない。
有能過ぎて手放すわけにもいかない点が本当にタチが悪いな。
俺はいま、天幕の中でひとりゴロゴロと毛布にくるまって寝転がっている。
時刻は大体8時。昨日の事件から一夜明けて、爽やかな朝を迎えたところだ。
そういえば完全に説明し忘れていたけれど、この天幕は真ん中に柱が立ててある、いわゆるモンゴルテントなんて呼ばれるような少々大型のものだ。
普段俺達が野宿に使っているものは、木の間にロープを張って布を垂らす吊り下げ式の小型のもので、こちらは単にテントと呼んで区別している。
まあそれはわりとどうでもいい話なので置いておいて。
いま地球人三人組は、ギルベルトさんと一緒に外で食事の準備をしている。
一方俺は一人。のはずがなく、ここには誰の目にも見えないもう一人の護衛が存在している。俺は外に聞こえ無いよう、小声で彼女の名前を呼んだ。
「アリア」
声に応えて、足音がトンと一度、わざとたてられた。
音の発生源は俺の横、枕元の近くだ。
ゆらりと景色が歪み、真っ黒な人影が現れた次の瞬間、ブレるような奇妙な感覚と共にそこへ陰影がついた。
アリアは髪をきっちりと纏め、緩みの無いシンプルな黒服を着て、微動だにせず跪いている。
俺はまあ一応優しい上司であるので、天使のような第三王子様スタイルで微笑んだ。
「顔を上げよ。今回は本当に助かった。お陰でこの町もすこしは安心して過ごせる場所になるだろう」
俺の声に、一度深く頭を下げたのち、静かな動作でアリアが顔を上げる。
「勿体ないお言葉にございます。殿下のご心痛を少しでも取り除けたのなら、部下としてこれ以上の喜びはございませんわ」
「アリアにはいつも助けられてばかりだ。それにしても今回は、さすがにあのタイミングまで来ないとは思わなかったが」
べつに恨み言として言っているわけじゃない。アリアにとっての見逃して良い俺の怪我の許容範囲が予想よりだいぶ広かったようなので、そのあたりの意識のすり合わせをしたかったのだ。
アリアは申し訳なさそうに眉間に少し皺を寄せたのち、くすりと小さく微笑んだ。
「申し訳ございません。さすがに次回があればもう少し早く救助が向かうよう調整いたしますわね」
「いや、いいんだ。まさかお前が問題ないと思って俺を放置したなどとはさすがに思わない。より優先すべき部分があると判断したのだろう」
「ええ、勿論でございます。今回はわたくしが直接助けるより、なるべくあの三人の手で殿下を助け出す必要があると思いましたから。
殿下は己の身の安全より、彼らの成長こそを一番にお求めになりますでしょう?」
それはその通りですねハイ。狙ってやってたんなら滅茶苦茶ファインプレイだよ。
なに? もしかして俺が鬱展開からのハッピーエンド至上主義で、皆がいっぱいつらい思いをして成長しますよーに! って毎晩お星さまと邪神様にお祈りしてるのがバレてんのか?
いやいやいやさすがにそれは無いだろうけれど、それにしても俺に対する理解の高さが普通に怖い。
俺は笑顔をきっちり顔に張り付け、ふふ、と小さく笑い声を出した。
「ああ、彼らの成長にこそ邪神退治の成否がかかっているからな。さすがに今回の件は心に傷を残していないか心配だが……」
「ご心配はごもっともですわ。けれど彼らは本当に素晴らしい子達ですから、きっと殿下の犠牲を無駄にせず、より高みへと昇って行ってくれることでしょう」
「その通りだ」
うふふ。あはは。
俺達は朗らかに微笑みを交わした。
鬱展開大好き野郎とロリショタコンに目を付けられる少年少女が不憫すぎるな……。まあ地球に帰るまでずっと付きまといますけど……。
さて次があったらさすがにここまでは放置されないと分かったところで、せっかくの機会だ。
俺はいままで気になりつつも聞けなかったことをアリアに尋ねてみようと思う。
「ところでアリア。きみは子供が好きだろう」
「ええ、はい。それはもう」
「その子供というのは、どのあたりまでの年齢を指すのだろうかとふと疑問に思ったのだ。聞いても構わないか?」
「構いませんわ。この点については人によって見解が異なるでしょうが、わたくしは社会に出ていないこと、という点に重きを置いています。生活のための労働を行わず、勉学や遊びや恋に勤しんでいるような年代、もしくはそれより下の、本当に幼い子供達。彼等のみが持つ独特の美しさというものは、たいへんよろしゅうございますわね。ああ、勿論、生活環境の問題から幼いころから働いている子供というものも、健気で逞しく、愛すべき存在ですわ」
「そうか……」
うん、まあ。予想はしていた回答だ。
つまり俺はもう少し年齢が上がって本格的に王族として働き始めれば、アリアのストライクゾーンから脱出することができるのだろうか。希望が見えてきたぞ。
「アリアは本当に子供が好きなのだな。僕もこの国を担う未来ある子供たちの成長を見守る喜びというものはよく理解できる」
「ライア殿下は本当に思慮深く素晴らしいかたですわね……。けれど、ええ、少し齟齬がございますわ」
「……というと?」
俺が嫌な予感を覚えつつそう尋ねると、アリアはにっこりと美しい笑顔を浮かべた。
「わたくしは人生の中でも特に進歩著しく輝かしい、子供時代というものを愛しております。責任ある大人の立場から、才気あふれる少年少女の成長を見守りたいと、常々思っておりますわ。
けれどそれはなにも子供だけを愛しているということではありません。
子供の成長にはあらゆる要素が関わってきます。まずそれは親であり、祖父母であり、友人であり、彼らを見守る近隣の住民であり、教師や学友です。
それだけではありません。学ぶべき素晴らしき知識の詰まった書物を著わした先人や、あるいは役者や歌手といった、彼らの憧れとなる華々しい人々。あるいはただすれ違うだけの通行人とて、時には心になにかを遺すこともありましょう。
そして今回のような恐ろしい狂人もまた、そうであるがゆえに、価値観の違いに触れ、悩み、もがき、己を見つめ直し磨くための糧となります。
そう、子供というものは、子供だけで生きていくものではありません。それを取り巻く社会こそが、彼らの成長に強く影響を与えるのです。
ですから私は、子供だけでなく、そこに関わる全てを愛しているのですわ。
殿下の言葉をお借りするなら……、私は人間を、そしてこの世界を愛しているのです」
きらきらと目を輝かせ若干鼻息荒くそう言うアリアに、俺は優しく微笑んだ。
天幕の外からは、ギルベルトさんに手伝ってもらいながら朝食を用意する三人組の、仲の良い話し声が微かに聞こえてくる。
言葉はいらない。我々は世界を愛する者同士、ただ静かに頷き合った。
いやこわ……………………。
こっっっっっっわ……………………。
むり……。心が折れそう……。
予想以上の手に負えない強靭な変態じゃねーか最悪だよ。
俺が何をしたって言うんだ。平穏を返してくれよ。誰にだって変態の視線にさらされず自由な気持ちで生きる権利があるはずだ。人権を守れ。支援団体を派遣してくれ。
もうホラーだよこれはさあ。
やめて。気の狂った長台詞を喋るのはローチくんだけにして。あの子は倫理観が死んでいる以外は仕事熱心で優しくて素直なよい子なんだよ。
自分の部下の魔の手を逃れられない予感に内心泣いている俺をよそに、アリアはふと視線を上げた。恐らくその方向に三人組が居るのだろう。
「あら、そろそろ朝食の準備が整うようですよ。それではわたくしは再び姿を隠させていただきますわね」
「そうか、では引き続き頼んだぞ」
「お任せください」
アリアが頭を下げて再び透明になった数秒後、天幕の入口の布が外からぽふぽふと叩かれた。
「ライア、ごはんできたよー。外出て食べられる? 持ってこようか?」
「いえ、大丈夫です。いま行きますね」
俺はルイちゃんの声に返事をし、毛布を畳んで天幕の外へ出た。
今日のメニューは干し肉と根菜のスープに、固焼きパン。質素だが素材がいいので美味しい食事だ。
俺の体調を気遣って、ハヤトくんたちはスープをしっかり煮込んでくれていたらしい。柔らかい具材は消化に良さそうで、優しい味がした。
昨日の事件の名残はまだ三人の表情を少しだけ曇らせているけれど、きっと彼らはその若くしなやかな心で、軽やかに乗り越えてくれることだろう。
空は青く、風は柔らかで、旅路には困難が待ち受けていようとも、今はまだ穏やかな空気がここにある。
俺は頼むから密偵だけチェンジでお願いしますという心からの叫びを堪えつつ、スプーン片手に、美味しいですと微笑むのだった。
これだから世界はクソ。
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