第19.5話 閑話 これまでの「だから僕は龍騎士じゃない」

2020年5月24日月曜日、いつもと同じ朝が来ると思っていた神奈川県の高校生ケン

ジは、パラレルワールドに迷い込んだ。


自分の家族に見慣れた風景、でも自分のいた

世界と全く違う世界に戸惑いながらも、いつ

も通り高校に向かう。


学校で友人であるマコト、山本こと山ちゃん

が"適性"や魔導といった自分の世界には聞き覚えが無い事を当たり前のように話す事と、い

つもの世界の中にロールプレイングゲームが

溶け込んだような常識を目の当たりにしたケ

ンジは驚く。


自分の通う三谷高校に着いてから分かって来

た事は、この世界には魔導の力がある事、"適性"と呼ばれる人を能力と出自で評価するシス

テムがある事、そして自分の適性は滅多に存

在しない龍騎士という適性だった。


皆がそれぞれの適性に合わせた選択授業を受

ける中、ケンジは龍騎士を担任する小柳先生

に連れられ、校長先生に会いに行く。

小柳先生と校長先生はケンジは別の世界から

来た事を見抜いていたのだ。


小柳先生と校長先生から明かされる、ケンジ

がパラレルワールドに迷い込んだ原因

それは元々、魔導力がある世界に生まれ育っ

た"龍騎士"の適性を持つケンジは、三谷高校に

ある学校を守る依り代となる破魔の鏡を盗みだし、その力を借りて魔導力のある世界から

転移した事により、自分がこちらの世界に呼

び寄せられたのだった。


元の世界に帰るあても方法も分からないケン

ジは、校長から元のケンジを探す協力をする

代わりに、自分を元の世界に戻す方法を探す

協力を取り付ける。

そして元の世界に帰るまでの間、龍騎士とし

て疑われないように修養する事を命ぜられた。


嫌々ながらも諦めつつ、小柳先生の授業と

小柳先生に紹介された剣道部部長の神林先輩から剣道の稽古を受ける日々が始まった。


そして、山ちゃんとマコトに自分が別の世界

から来た事が暴露するアクシデントはあったものの、3週間後の6月15日、ケンジは新

入生ワンダーフォーゲルと呼ばれる三谷高校

に入学してから最初の試練に、友人達と望む

のだった。


登場人物


ケンジ

本名宮本賢治、高校1年生、適性は表向きに

は龍騎士(龍騎士は元の世界のケンジの適性)

父、母、妹のアカネがいる。

いじめを受けた経験から目立つ事を嫌い、人

の中で平凡に生きる事を願っている。


マコト

本名水木真琴、高校1年生、適性は水術士、

両親が宗教団体の専従術士

ケンジと同じクラスで通学経路が同じ、ケン

ジが女子生徒で唯一よく話す相手

小学校がケンジと一緒でケンジは初恋の相手


片山さん

本名片山恵那、高校1年生、適性は炎術士

元不良の父と人見知りで引っ込み思案な母がいる。

大人しく無口で人見知りだが、中学校の頃か

らケンジに好意を抱き強引にパーティーを組

もうとする。

顔半分が前髪で隠れて表情が分かりにくい、

実は父親譲りの性質により戦いが始まると性

格が豹変する。


山ちゃん

本名山本健太郎、高校1年生、適性は鍛冶屋

父親は山本鉄工所の社長

とりあえずポジティブ(難しい事は考えない?)

で切り替えが早いが、ケンジが入れ替わった

事に気付くなど勘は鋭い。


神林先輩

本名神林美奈、高校2年生、適性は剣士

実家は剣道教室をやっている。

性格が堅い、厳しい、怖い、笑顔だと美人

剣道の良さを広めようと剣道部している。


小柳先生

本名小柳アリサ、24歳、養護教諭、ケンジに

魔法を教える先生

ケンジがいた向こう側の世界を知ってる。


校長先生

本名延間大輔、53歳、見た目は閻魔大王の

ように怖いが実は温厚

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