第39話 ノック
ある休日。前夜夜更しをした明美さんは昼前まで寝るつもりで布団に潜り込んでいた。
ふと。自室のドアを誰かがノックする。
「明美~、明美~」
母の声だ。どこか明るい、いや、なにか楽しいことを伝えたがっているような口調。
「なにー……」
明美さんは寝起きが悪い。寝ぼけまなこで返事をしたそうだ。
「明美~、明美~」
母は同じ口調で再びノックする。
「だーから、なによぉ」
「明美~、明美~」
全く変わらない口調でノックし続ける母親。
はた、と違和感を覚えた。
-返事しちゃいけないやつだ
そう判断した明美さんは無視することに決め、再び眠りに落ちた。
予定通りの時間に起きた明美さんが母親に朝のことについて尋ねたところ、部屋にはきていないと言われた。
「んー、多分夢だと思うんですけどねぇ」
話を終えた明美さんは、くすっと笑った。
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