本契約 1-6

翌朝、鳩40羽との本契約の話し合い前に確認したいことがるので、小型一社宮前に朝食を供える。直径20㎝の桃を用意して姫神様に祈る。「姫神様、鳩種族進化可能でしょうか?可能なら進化条件教えて下さい。転移魔法は取得可能ですか?」


天棚機姫神(あめたなばたひめ)様、眠そうに現れる。「美味い!もう50個程供えよ。」


【桃の樹】:魔力を梨の樹に渡すことで、桃授与。賞味範囲100m。生育条件、魔力に満ちた森の中のみ。繁殖力ゼロ。


鳩達も食べたいで、一緒に魔力を使い大量に桃を実らす。ミツグは、ユニークスキル【森林】により魔力供給に全く底が見えないため、姫神様に全力服従。昨晩、考えて考えて、結論、何も考えずに姫神様に従えばいいと決断。「進化条件を教えてもらえますか?」


姫神様曰く、「子作りを進化前が良いのか進化後が良いのか聞きたいのだな?進化にはレベル200が必要。進化したらレベル1になる。産まれる子供も進化種族になり、知力、スキル、ステータス高く引き継いだ子等が産まれることになる。そうなって初めて鳩達はこの世界の種族になろう。」「種族名何か案あるか?」


キター!丸投げ・・・・。ミツグ必死に考える。ハイ鳩、スーパー鳩、ハイピース、超鳩、平和屋・・・。駄目だセンスがないのは自分が一番理解している・・・。「先送りでお願いします・・・。」


姫神様「うむ、よく考えておけ。で本契約条件は何だ?」「あと鳩全羽、転移魔法取得可能じゃ。」


ミツグ、鳩40羽を見回してからプレゼンテーションを始める。

「まず、本契約は全羽進化してからでどうでしょう?それまでは一緒にとにもかくもレベル上げ」


「本契約の雇用条件としましては、一日の労働時間5時間ぐらいをお願いします。交代で三羽から五羽勤務。基本、午前中を【御神饌(ごしんせん)番】としての勤務、戦闘行為も含むとします。その手伝いをお願いします。」


「午後は、基本、勤務時間外。」


「産休、育休は性別関係なく無制限取得オーケーです。シラコバトの雪風さんに委ねます。」


「食と住の支援、要望あるだけ応えます。食はリクエストする権利を一日3羽づつでどうですか?」


「住は、何が必要ですか?」


「パーティ登録は常に基本全羽で、経験値を均等割と考えてます。妊娠中の経験値割り振りは良いのか悪いのかは教えて下さい。子供の本契約タイミングもお任せます。」


「最後に、重要なんですけど、全羽、転移魔法取得ができての上記の本契約が可能になるかと。僕は転移魔法取得、諦めてます。」


モフモフ愛があれば24時間労働の強要が従魔契約可能かもしれないが、いろいろ違うぽい【鳩使い】には無理っぽい。

好条件にした狙いは、自分の働く時間も短くする狙い。転移魔法に依存したい。森林の外での弱さ克服のための修業時間の確保。生態のわからない鳩の繁殖も必要。元社畜だからこそ提案できる好条件?どっちが主かとか考えなければ最高の提案だと自負。とにもかくもユニークスキル【森林】あってこそ。


何故か姫神様が返事する。

「うむ、よく考えておる。住処は迷宮がよかろう。【森林把握】で出来立ての迷宮を探して皆で迷宮核を採ってくるとよい。」


ミツグ「・・・。」


姫神様「細かいことは時間をかけて雪風とつめるがよい。」


ミツグ緊張しながら全羽を見回し

「雇用条件が、こちらの世界に鳩の皆さんを送り込んだツキヨミ様の意図にこれで反していなければ、一緒に天棚機姫神様を一緒に支えましょう。」


概ね良好な反応を鳩の皆さんからもらう。ほっとする。


「あと姫神様、確認なんですけど、この世界で姫神様に求められている独自権能は服飾関係のみなんですよね。」


姫神様、不満顔で「縁結びというか男女の愛は他の神じゃな。この世界の権能の割り振りは縦割りじゃ。元の弐本の時はどの柱も横断的に権能もてたんじゃがの」


ミツグ「それって男女の愛というか男女の出会い以外の縁結びは駄目じゃないような・・・。僕には神様の権能、一切合切意見なんかないんですけど・・・。」


姫神様ニカッと笑い「お主天才か!お主の記憶にあったBL、GLの縁結びは確かに我が担ってもよい権能かもしれん。早速、挨拶がてら話しおうてみてくる。」


スッと消える。


ミツグうずくまり、手を伸ばし「僕が言いたいのはそっち方面じゃないんですぅ・・・。自分そっち方面の人間じゃないんですぅ…。」

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