天棚機姫神様と出会う 1-5
鳩様方と二日間の移動しながらのレベル上げ、どうにか海の潮の匂いが感じられる所まできたので夕飯、野営準備を始める。ユニークスキル【森林(新種創造)】により、新たに信州味噌の実、醤油の実、桃の樹を創り焼きおにぎりの準備中。塩問題は解決していることには気づいていない・・・。土魔法でピザ窯を造り、土魔法で分子を振動させるイメージで高温にし順番に焼いていく作業が終わらない。何故かって、鳩も慣れたものでおにぎりを各自の魔力で収穫してきて次々に渡してくれる。鳩様方40羽に増えていて、シラコバトは雪風一羽のみ。信州味噌味焼きおにぎり3個目を食べてる雪風さん・・・。
突如背後から
「おにぎりか懐かしいのお」
ユニークスキル【森林(森林把握)】に反応がない・・・・。人でも魔物でもなさそう・・・。振り返ると和風な雰囲気の女性が立っている。鳩40羽全て取り囲むように土下座している。
「お主も、弐本からこの世界に来たのか」
「も」も気になるけどそれよりも
「ここにいる鳩達の主はあなたですか?」
「我の質問に質問で返すのか?視るぞ?」 冷たい眼でこちらを睨んでくる。
慌てて「弐本から扉式勇者召喚で扉を通らず森に気かづいたらいた。ハイエルフには出会いましたが、この世界のことは全くわかっていません。」等々。
「我が名は天棚機姫神(あめたなばたひめ)。お主がいた時代より400年ぐらい前に弐本からこちらの世界に来たのだ。ミツグのことは解かった。お主の記憶一通り視させて貰った。知らなかった言葉、概念がいろいろあるのぉ。」
周りの鳩を見回し「そうかツキヨミ様がお主たちの先祖を私が寂しくないように一緒に送ってくれていたのだな。今日まで気づかなく、済まなかった」鳩に話しかけている。
「まず、ミツグがユニークスキル【森林】を使えるのは、お主の扉式勇者召喚の失敗で消滅しかけた魂と、その同じ瞬間に、我の20年に一度挨拶する400年来の友達レア種、老青マンドレイクが転んだ老トレントに潰されての。私の神力で魂を融合した結果だな。救いたかったのは限りなく長命で神に近い青マンドレイクだったんだがの。まあお主にとっては【勇者4分の1】も残って幸運だったな。かろうじて何故か人間だな。」
奴隷目的の勇者召喚失敗で、自分は四分の三マンドレイクって・・・。謎の生命体と化した自分・・・。かろうじて何故か人間・・・・。頭、真っ白である。
突如、50cmサイズの小さな社現れる「次に、この一社宮におにぎり百個ほど供えてみよ。半分は焼きおにぎりで頼む。」
言われた通りに雪風を中心とした手伝ってもらい、おにぎりを用意し焼きながら姫神様に聞いてみる「神力とは何ですか?」
「本来は信徒の祈りが神力になるが、この世界では魔力(大量の魔力が必要なのは内緒だかな)を使って神に神饌(お供え物)を届けることができる。それが神力になる。私はこの世界に追放されてきて、信徒もいなくほとんど神力を持っていなく、なけなしの神力で古き知り合い老青マンドレイクを救ったつもりだったのだかな・・・。この世界で神力を使ったのはそれだけじゃ・・・。」
さらに、おそるおそる質問してみる。「何故、追放されたのですか?」
「お主は、弐本で浜名湖湖畔の神社に詣でた時に、我の説明書き読んだことあるだろ。半分合っておる。天岩戸事件でイベントプロデューサー、臨時政権トップのツキヨミ様の指揮下で私がデザインし織った衣装が原因だな。」
「結局、神といえども妬み嫉妬があるんじゃ。天岩戸事件で活躍した臨時政権ツキヨミ様派閥は皆、そのあと天照大御神派閥に冷遇されてのう。ツキヨミ様は何の権能も揮う気もなくなってしまっていての・・・。故に鳩達に気づかなかったのじゃ・・・。かつての弐本400年程前に神力が集まりにくい期間があって、それで柱減らし(口減らし)で左遷されたのが我じゃ。」
「ミツグの記憶を見る限り、お主の時代でも庶民は薄着スケスケファッション皆好きであろう。我の天岩戸事件での成功が遺伝子レベルの記憶でお主らにも伝わってる故じゃ・・・。闇に閉ざされた世界に光が戻った瞬間の喜びと一緒にな・・・。弐本人が日の出好きなのと一緒じゃ。」
「皆、天岩戸事件ではツキヨミ様の臨時政権下で限界ギリギリ超えておったファッションで一緒に天岩戸前の宴を楽しむだけ楽しんで何故か恨んでおる故じゃ・・・。」
ミツグ目が点・・・「そうなんですね。日の出とスケスケファッション同時に遺伝子レベルに記憶として刻まれたんですね・・・。(正月ふんどしで海に入る人いるのそういうことか・・・。)」(やばい・・・。神様関係破壊しつくした感じなのか・・・。)
「そもそも何じゃ、我を祀った場所に来ぬ七夕祭りとは?彦星誰?ツキヨミ様をお慕いしている(ポッ)の我を追放した記念祭か?しかも会えておらぬしな・・・。ふざけておるのぉ、今となってはどうでもよいが・・・。」
おにぎりを一社宮前に土魔法で作った皿に載せ供えると
「好きなように【森林】使いながら祈ってみよ」と言われるので、その通りにする。ミツグはいろいろ思考停止している・・・。
声に出して思いつくまま「異世界で生きるチャンスを与えて貰いありがとうございます。可能ならばユニークキル【鳩使い】の本契約の方法を教えて下さい。」おにぎりと皿が消える。
かなり怪しげに笑う姫神様を見て背筋がゾクゾクするミツグ・・・。
「この世界で与えられた神の権能により、神力を使い鳩とミツグに天棚機姫神の加護と職業を与えた。お主はこの世界では魂が融合しておるので他の職業は選択外故な。お主の【やや鑑定】で鑑定してみよ。」
とりあえず自分から、「ステータスオーブン」
【名前】 ミツグ
【種族】 ヒト
【性別 】 オス
【職業】 御神饌(ごしんせん)番new (天棚機姫神の加護)new
【レベル】 35
【スキル】
土魔法 水魔法 毒耐性(微) 光魔法 補助魔法 念話
【ユニークスキル】
やや鑑定
やや収納
勇者4分の1
森林
鳩使い
異世界言語
生活魔法上級
「職業なんですが、宮司とか神官でないのは何故でしょう?あと生活魔法上級、ありがとうございます。」
「お主にはお供え物を集める以外あまり期待しておらん。お主好みの厨二っぼい職業名に不満か?祭祀とか一切気にせずお供え物のみの役割じゃ。毎日頼むぞ。」
「職業のメリットは生活魔法上級だけだが、生活魔法上級は便利じゃぞ、いろいろ試してみよ。」
ニヤニヤ姫神様笑いながら「ほれほれ、お主のやや鑑定で鳩達を鑑定してみよ。」
「マジかよ・・・・。」と呟くこと40回・・・。
全部の鳩達40羽、共通で、ステータス大幅に変わり
職業 勇者
【ユニークスキル】
鑑定
アイテムボックス
全属性魔法
異世界言語
上級生活魔法(天棚機姫神の加護)
唖然としたまま「いいんですか?」と呟く。衝撃が
「この世界で与えられた権能の範囲内じゃ。今のところ服飾関係のみと共通の権能のみじゃ。まあ他の神々にも挨拶は一度しないといかんのぉ・・・。知りたいことあれば聞くがよい。」
急激に膨らむ恐怖心を抑えながら「今日まで姫神様、この世界で神様として仕事しました?もしかして、この世界の人間にも神様にも関わってないんですか?」
「400年の間、ツキヨミ様を想っておったぞ。神力もなかったしの・・・。神域はオフィスビルみたいなもんじゃ。この世界のトップの創造神への賃貸料(神力)ないからの。この森で森林素材で服創りしておった。鳩達との本契約は雇用条件をお主が提示して互いに納得しないといかん。今晩よく考えて明日話し合ったみよ。最後に陶器の風呂とお湯をセットで供えよ。今ずぐじゃ!」
「お主のおかげで今日から神域住まいになる故、今まで寄ってこなかった魔物がこの100キロ圏内にどんどん来るぞ。心せよ。」
ミツグ云われるがまま思考停止したまま働く、供える。スッと一社宮を残し消える姫神様。
まとめ役、雪風(シロコバト)と相談し、土魔法で豆腐ハウス二階建て作り、一階で落ち葉布団に入り、いろいろ思い返しながら、鳩達との本契約を考えながら寝落ち・・・。
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