第23話「年越しカウントダウン•31日」

「ついに今年も終わりかぁ。マジであっという間だったよなぁ」



「だよなぁ。それにしてもまた今年もお前と二人きりなのがムカつくというか…」



こたつでビールをちびちびやりながら、夕陽は横目で笹島のビール腹を見る。


テレビではトロピカルエースがメドレーを歌って新年のカウントダウンを盛り上げていた。



「それにしても凄いよなぁ。みなみん。それに怜サマ…あんな凄い子たちが俺らの彼女とかって信じられないよ」



ほろ酔いの笹島がしみじみと呟く。



「だな…。まぁ素の顔を知ってる身としては複雑な気持ちだけどな」



テレビの彼女たちと、恋人としての彼女は別モノに思える。

当然同一人物なのだから、それはただの感傷だ。


アイドルとしての彼女は「商品」としての可愛さだ。

商品ではなく、生身の彼女の可愛さを知っている自分はテレビの中の彼女に違和感を覚えてしまうのだろう。



「そろそろ蕎麦でも食うか?」



「おっ、待ってました!」



「おっと…、その前に」



夕陽は蕎麦のどんぶりを抱え、立ち止まる。



「今年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願いします」



「おいおい、夕陽。どこ見て言ってんだよ。あ、来年もよろしくー!」






短めになってしまいましたが、三日間お付き合いありがとうございました。


来年もよろしくお願いします!



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