第14話 ストリー・フラッシュバック 科我 洲鳥

 ついにこの回が来てしまった。


 こんにちは。語り部回数第1位に輝く、ギターの科我かが 洲鳥すとりです。


 何しろ、主人公のコウですら今までたった2回しかやっていない語り部役を、脇役ポジである俺が既に5回も務めているのだ。今回で6回目。実に主人公の3倍となる。ちなみに、コウは委員長紗倉川さんと並んで2位だ。異常事態と言わざるを得ない。


 無口キャラなので、語り部で喋らせないと存在感が無くなるんじゃないかっていう作者の考え方も、確かに理解できる。もっとも、今後の展開では、あまり語り部役は回ってこないような気もしているので、今回が語り部引退作のつもりで気合いを入れていきたいところなのだが……


 それにしたって今回はテーマが悪い。都合が悪い。相性が悪い。


 「ストリー・フラッシュバック」って、カタカナのサブタイトルはかっこよさげに見えるけれど、フラッシュバックって要するにトラウマのことだ。

 出来れば触れて欲しくなかった、科我家の、いや、科我姉妹の話らしいのだ。これから俺に何を語らせようとしているのか、今の段階では想像したくもないのだが、俺にとって拷問にも等しいであろうことは断言出来る。


 それだけ、今回の話は気が重いということだ。出来れば早送りで、ダイジェストで、箇条書きでささっと済ませてしまいたい。


 そもそも、中間考査に向けての勉強をがんばらなければいけないというこの時期に、こんな重たい十字架を背負わせようとするなんて、作者は鬼だと思う。ゴールデンウィーク明け、もしくはおそらく第一章のクライマックスとなるであろう、ライブハウスデビュー明けくらいの閑話として挟み込んでもいいくらいの、本筋とは関係ない話なのだ。


 だってまだ、主要・重要キャラ、出揃ってないんだよ?


 作者への軽い嫌がらせとして、先取りネタバレしてやったぜ。ふふ、ふふ、ふふ。ほら、俺が笑うのも珍しいだろ? キャラ崩壊だ。大笑いしてやる。


 ガハハハハハハハハハハハハハハハ!


 どうだ、まいったか。



**********



 調子に乗っていたら、10個のアスタリスクでリセットされてしまった。こういうの、名前はついているのだろうか? 時間経過を示すものだが、俺は個人的に「さておき線」と呼ぶことにした。今、思いついた。「それはさておき」ってな感じだ。


 作者や作品によって、さておき線にも様々なバリエーションがあるようだが、今回は作者がバラエティに富むさておき線を積極的に使っていくとのことなので、本文以外も是非楽しんでください。



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「起きてるのかな?」

「まだだいじょぶっぽい」

「脱がしちゃおっか」

「やっちゃえ」

「あ、まだ皮かぶってる」

「のびるかな」

「これ、こすれば大きくなる?」

「………」

「あ、起きたか?」

「ん?」

「おはよ」

「おはよー」

「あれ? おはよう。らーねーちゃん、さーねーちゃん、なんでここにいるの?」

「ふふ、すとりであそんでたの」

「あそんでくれるの?」

「ちがうよ、あそぶのはあたしたちだけ」

「あ。ぼくのパンツは?」

「あは、やっと気がついた」

「! パンツかえしてよー」

「はは、さっき窓から投げちゃった」

「え?」

「はだかのまんま、外まで取りにいっておいで」

「あーん、ひどいよー」



++++++++++



 いきなりこの話かよ!

 嫌な予感が的中した。せめて現在の話にして欲しい。何で俺の時だけ回想回やってるの?

 これ、小学生の頃の話だよね? ちょっとひど~~~~~~~~~~



「このへんじゃない?」

「いや、こっちの裏の方かも」

「さすがにベッドの下はないか」

「布団の下は?」

「もっと、奥の方かな? あ、みっけ!」

「おお、どれどれ?」

「あは、エロいな」

「すとりはこうゆうのが趣味か」

「あ、こんなところからゴム出てきた」

「ませてんなー、使う予定ないくせに」

「あはは、かあさんとこ、もってこ」

「いいね」

「おかーさーん、すとりがこんな本持ってたー」

「あと、なんか変なゴムみたいのでてきたー」


==========



 えーと。今度は中学生編ってことですね。エロ本とか探索されて、挙げ句親バレした時の話ですね。

 うん。抉ってくるなー。ほんとにぐいぐい抉ってくるなー。もういいけどさ。こんなんばらして、誰得なんすか?

 それと一つ、いいですか?

 こうやって回想にコメントしてる最中に「さておき線」で割って入るの、やめてもらえませんか?

 実際、ややこしいと思うんですよ。さっきの、わかってもらえたかな?

「~~~~~~~~~~」ってのがさておき線だったんだけど、コメントの途中で入れられちゃったから、俺が「ひど~~~~~~~~~~」って叫んでるみたいになっちゃってるじゃないですか。

 これもう、さておき線の意味なくね? ってやつですよ。

 まあ、小学生、中学生と来たから、次は高校生編ってことで、やっと現在に追いつくと。つまり最終回ってことですね。ちゃっちゃっといっちゃいましょう。はい、どうぞ。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



「すとり、財布貸して」

「らー姉ちゃん、何するつもり?」

「いいから貸せって」

「さー姉ちゃん、ちょっと後ろから羽交い締めは」

「はは、なんだこいつ、えっらそーに、万札はいってっぞ」

「それだめ、エフェクター買うのに貯めてたお小遣いなんだから」

「うっせー、中坊にそんなんいらねーんだよ。高校生は金かかるんだから、これ、寄こせ」

「あ、このカード、スタンプ全部貯まってる」

「らっきー、それももらおうぜ」

「やめて、それ一年がんばってためたやつ」

「あは、いくらになんの、これ? なんだたったの500円かよ。ま、ないよりましか」

「ほら、財布は返してやんよ」

「じゃな」



♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡



 高校生編じゃないんだ。中学生編、もう一つやるんだ。現在の高校2年じゃなくてもいいから、せめて高校1年編にして欲しかったかなー、なんて。

 この中学生編の頃ね、姉貴たち、高校生で荒れてたんですよ。

 いや、外面はいいんで、俺に対してだけこんな感じでね?

 だってほら、もうただのカツアゲだったでしょ?

 カットされちゃってるけど、あの後、姉は二人いるんだから、1万づつ寄こせよ。半分の5000円じゃ、全然たりねーよって、わけのわからないこと言われたんですよ?

 こういうイジメってね。やられた方はずーっと覚えてるんですよね。多分、姉貴たちはもう忘れちゃってますよ。ってか、カツアゲされたのこれ一回じゃなかったし。何回目のカツアゲが採用されたのか、俺でもわかりませんからね。


 あと、なんでこのエピソードを仕切ってる「さておき線」が、☆と♡なんですかね? どっこもキラキラしてないし、ハートフルでもないでしょ?

「さておき線」に悪意を込めるって相当なもんだと思いますよ?


 で? え? 可哀想になってきたからもう終わりにする?

 あ、あざっす。そっすか、もう一話分の尺、足りてますか。

 え? 最後に姉貴たちの紹介やっとけって?


 いや、だってもうこの姉貴たち、登場しないでしょ? え? するかどうかわからないけれど、一応設定作ったから書いておきたいって?

 いや、別に設定って全部公開するもんでもないでしょ。ほら、裏設定とかもあるんだし。ま、いいですよ。やります、やります。もう、とっととやって早く終わらせたいし。

 じゃ、まず、長女の方ね。らー姉ちゃんって呼んでた方からです。はい、どうぞ。


科我かが 良詩亜らしあ 長女 女子大生


 え? こんだけ? 年齢とか学年すら書いてないじゃないですか。身長とか血液型もないし、プロフィールもナシ? そういえば、まだ考えてなかったって? なんすか、それ。もう、じゃ、はい、次はさー姉ちゃんの方、どぞ。


科我かが 嵯梨さり 次女 女子大生


 はいはい。予想通りでしたね。こっちもシンプルなこって。

 そんなに言うなら、今プロフ作るって? なにそれ。だったら校正して差し込んでくれればいいじゃないですか。ま、いいや。じゃ、はい、まとめてどうぞ



科我かが 良詩亜らしあ 長女 女子大生 長女の責任感からか思いやりがある。特に弟洲鳥への愛情はとても深い。


科我かが 嵯梨さり 次女 女子大生 姉を助けつつも弟洲鳥のことをいつも一番に考えている。



 ……嘘はやめましょ?

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