第25話 生活がもはや…
「どうぞ」
「えーと…お邪魔します」
俺は叶野さんの部屋…というか豪邸に来ていた。
もう外から違うんですよね、うん。
300メートルトラックが入るぐらいの広大な敷地に、それを囲う高い柵。ここは通さないと言わんばかりの高さがある。4、5メートルはあるだろうか。
そして豪邸特有のアレがさっきあったのだ。インターホンを押したら、叶野さんは"様"を付けて呼ばれるし。
しかも、正面の大きな門から建物まで15分かかったし。
ていうかこの庭、なんか何処かで見たような…?
「入らないの?」
叶野さんがそう言うと、俺はおずおずと豪邸の扉を潜る。
おぉ…こんなの見た事ない? よな?
中は見た目通りの城の様な内装だった。靴は脱がない、海外スタイル。
俺は疑問が尽きないまま奥へと進んでいく。
「どうぞ」
…あれ? この部屋何処かで?
ガチャ
え?
俺は後ろを振り返る。そこには叶野さんが笑顔で後ろ手に扉の鍵を閉める姿が。
「やっとゆっくり話ができるわね」
な、なんか見た事がある…絶対。でもなんだっけ…凄い事が起きた気がするんだけど。
「ふぅ、疲れたわね」
パサッ
「ッア!?」
叶野さんのドレスが地面へと落ちる。
俺は視線を地面から上へと移動させる。
「私、部屋ではこの格好しないと気が済まないのよ。風裂君は2回目だから失神しないわよね?」
なんで仁王立ちしてそんな事を言えるんだ、この人は!?
「…って2回目?」
「そうよ? 気絶した所を私がこの部屋に連れてきた時ね」
…はっ!! そうか!? 俺、この前チェリーでこの人と会ってる!!
俺は自然と、顎が外れるのではないかと言う程に口を開いていた。
「思い出した? じゃあお互いの事を色々と知りましょうか」
叶野さんは俺に近づく。
「あ、あの…」
「何かしら?」
ギシッ
「何で…何で俺をベッドに寝かせるんですか?」
「疲れているのかと思って」
叶野さんは俺の事をベッドに押し倒す。そして俺を跨ぎ、腰の上に座る。
「あら?」
「あ、あぅぅ」
「別に恥ずかしがらなくていいのよ?」
俺は顔を手で覆い隠す。
「だ、だから何でパンツしか履いてないんですか!?」
「まぁ兎に角、色々上手くなる為に始めるわよ?」
「な、何をするんですか!!?」
「ふふっ、私に任せなさい」
叶野さんは小さく笑った。
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