第14話 こんな変態いるんだ

 めちゃくちゃ引くんだけど。

 ドアの隙間から見ていると、女の子は突然首を180度回転させる。


 ッッッ!!?


「隼人の匂い!! 隼人!!!」

 女の子はこちらに向かって凄いスピードで向かってくる。


 俺は思わず扉を急いで閉める。


 バタン!!


「隼人!? 隼人なんでしょ!?」


 ガタガタガタガタガタッ


 ひ、ひぃ〜〜〜っ!!?

 ヤバすぎ!! あの子この学校の制服着てたよな!? こんな変質者がいたのか!?


 と、とりあえず、つ、通報…ってあれ? 音が聞こえなくなった?


「隼人♡」


 ビクッッッ!!!?!?


 俺の首をツーっと指を滑らせながら、肩に顔を乗せ、耳元で俺の名前を呼ぶ。


 と、鳥肌!! 鳥肌めっちゃ立った!!!?


「なんで閉めたの? 私と会いたかったでしょ? ねぇ? なんで?」


 いやいやいやいや! 知らない人と会いたいと思えないでしょ!! 俺貴方のこと知らないからね!?


「な、何で後ろに?」

「それは愛の力よ♡」


 …怖い。

 俺はそこから逃げようとするも、その女の子の力が強すぎて解く事ができない。


「あ、あの離してくれない?」

「は、隼人の匂い…隼人の匂い…隼人の匂い♡♡♡」

 俺はそう言うが、女の子は俺の話を聞かないで背中に顔を埋め、匂いを嗅いでいた。


 ゾワッ!!

 俺は急いで拘束から逃れようともがくが、拘束は一層強まる。


「は、ははは隼人の匂いが凄いしてくる♡♡♡」


 ゾワワワワッ!?!?!

 こいつ! 俺の汗の匂いを!?


 俺は思わず顔を青褪めさせる。


 しょ、しょうがないっ!!

 俺は最終手段に出た。


 こ、これでどうだ!!!

 俺はある物を袋から出して、遠くへと投げた。


「あ、あれは!?」

 女の子は俺の拘束を解き、その投げた物の場所へ向かう。




 すまない。俺のパンツ。

 俺は昨日、母さんに出し忘れた洗濯物の1つ、下着を投げた。


 俺は女の子がパンツに夢中になっている隙に、そこから離れた。

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