第7話 朝のホームルーム
キーンコーンカーンコーン
今日も1日が始まった。学校での、この時間…陰キャの俺からしたら地獄でしかない。何も話さないし、話しかけられない。
まぁ、そっちの方が良いと言う奴もいるだろう。でも俺はモテる為にこっちの高校まで来てんだ! 絶対友達とワイワイ話してやる!!
そんな事を思っていた日もありました。
それが何故こうなった。
「隼人くんだよね?」
「風裂か…? なんか雰囲気変わったな」
「ていうか、隼人くんってそんな顔してたんだね…ポッ」
俺の机の周りには沢山の陽キャがいた。
チャイムは鳴った筈だ。いつもなら皆んな座っている。それなのに、逆に机の周りの人はドンドンと増えていく。
確かに、教室に来るまで色々な人とすれ違う度に…
「なにあの人…!」
「あんな奴この学校にいたか?」
「…いい」
等と言われる、俺の後をつけられていた気はしてたが…やっぱり髪は切ってくるべきじゃなかったか。後悔して教室に入って、席に座った瞬間に…この始末だ。
ガラガラガラ
「おはよおぉっ!? なんだ!?」
教室に先生が入ってくる。
先生は教室の中を見た途端、驚きの声を上げる。
ごめんなさい。先生。俺のせいなんです。
「…ほら! 早く自分の席につく!! 此処のクラスじゃない奴は早く自分のクラスへ帰れ!!」
「「「はーい」」」
俺の周りの人だかりが、凄い勢いで居なくなっていく。すごい…先生って。あの陽キャ共を一瞬でおとなしくさせるとは。
そんな事を思いながら、席で呆然としていると、
「ん? そこの奴、このクラスじゃないだろ。早く自分のクラスに帰りなさい」
先生が俺の事を見つめて、言ってくる。
何を言ってるんだ?
そう思った俺は、自分の事を指差す。
「あの…俺の事ですか?」
「そうだ! 他に誰がいる!」
先生は怒鳴る。
えっと…
「俺、風裂です。風裂 隼人」
「は?」
先生の口が大きく開かれる。俺は先生の顔を見て、顎が外れるのではないかと心配になった。
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