能力者

バブみ道日丿宮組

お題:不思議な息子 制限時間:15分

能力者

「彼は先天的に超能力を得た可能性があります」

「というと?」

「今やってもらってるのは透視になります。いわゆる、裏側に何が書かれてるかを当てる訓練です。ほら、また正解しましたよ」

「そういうのって繰り返してく度にいくつかパターンがでてるくるものでは? それで当ててる。マジックのようなものでもありますよね?」

「その可能性はありますね。なので、4人の担当者が交互に出してます。かぶることはないでしょう。書くテーマはその中のリーダーが決めたものになります。もちろん、同じテーマを実施したことはないですよ」

「なるほど」

「それで彼が先天的に得たというのはですね。彼が母親の子宮にいた頃から起こってたことから検証されたのです」

「起こるというと、超能力がですか?」

「はい、彼は超能力で母親を助けてたのです。他の人が事故にあった中で無傷であったり、次の便がハイジャックされてたり、いろいろ回避してるのです」

「たまたまじゃないでしょうか。100%発揮してるとは到底思えないのですが」

「数が違いますね。普通の人の数百倍もの九死に一生を得てるのです」

「……それはなんていうか、運がないというよりか、不幸を運んでくる黒猫のような存在じゃないでしょうか」

「そうですね。そういう見方もあるかと思います。仮にそうであったとしたら、彼は不幸を呼ぶ超能力を持ってるといってもいいかもしれません」

「でも、生まれた後はそういったことはないんですよね?」

「はい。そのとおりです」

「生まれることを神に拒否されてたということはないですか?」

「それですと、生まれた後にも事故が発生しないとおかしいです」

「それは……そうですね」

「日常的に浮遊してますし、テレポートだってします」

「真面目に言ってますか?」

「もちろん。試しにしてもらいましょうか」

「お願いします」

「あれ……ここにあったペン、どうしましたか?」

「映像を見てください」

「あれはペンですか?」

「そうです。ここにあったペンをテレポートさせました」

「どういうことです? 彼にそう伝えたのですか?」

「言ってません。いわゆる心理掌握。心を読んだのです」

「それはまた……なんていうか抽象的ですね。たまたまじゃないですか。第一にペンの話題なんてあがってないじゃないですか」

「未来を予知したのです」

「いやいやいや。消えたから話題になってるだけで、未来を予測してるわけではないでしょう」

「なかなか信じてもらえませんね」

「そりゃそうですよ。実の息子がこうやって研究所に軟禁されてると知れば、親は皆そう思うでしょう」

「お母さんの方はそうは思ってないですよ」

「そうみたいですね。許可したといってました」

「なら、お父さんも信じてあげるべきなのではないでしょうか」

「難しいですね。まだ小学生になって間もないこにやらせることではないと思います」

「まぁそうですね。外で遊ぶ楽しさを知る年齢かもしれません」

「でしたらーー」

「彼は楽しんでやってます。なので大丈夫でしょう」

「話になりません」


 そうやって父親と研究員は何時間にも渡って議論を繰り広げた。

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能力者 バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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