第8話 謎部隊
その後、一応魔力検査を受けて、無事……というかまぁ聖女なので当たり前だが魔力が全くなかったけど陛下直轄の謎部隊に入隊することが決まった。
無事合格した10部隊+謎部隊の新メンバーはこの後半年一緒に勉強したのちそれぞれの部隊に入る予定らしい。半年の最後の2ヶ月はそれぞれの部隊に通ってその仕事を覚える時間もある。
寮に案内されて、2人1部屋の部屋に入った。
「ロイ! やっぱりお前も合格してたんだな!」
「うわ、フェルト。抱きつくなよ。テンション高いな」
「当たり前だろ! 合格したんだから」
「そうだね。良かったよ。フェルトと一緒に合格できて」
フェルトはそんな僕の言葉に嬉しそうにうなずいた。
「ロイは何部隊で合格できたんだ?」
「僕は謎部隊だよ」
「謎部隊ってなんだよ」
フェルトは朗らかに笑って聞いてきた。
「一番最初に戦った人の部隊らしいけど、10部隊のどれでもないって言ってた」
「ええ!? お前すごい奴だったんだな! 特殊部隊に入隊できたのか! どうやったんだ?」
「特殊部隊? よく分からないけど。僕は負けたのに入れてくれることになったんだよ」
フェルトが尊敬の眼差しで見てくるのに不思議に思い質問する。
「特殊部隊ってそんなすごいの?」
「すごいも何もみんな憧れてるぜ。実際の仕事内容は極秘らしくて何をしているのか分からないけど、陛下にも直接お会いする機会もあって隠れた花形部隊なんだぞ」
「え、陛下に会う機会があるの?」
「そうなんだよ。とても名誉なことだよな。なんでも、今の陛下は即位して1ヶ月ほどしか立ってないけど鬼のように忙しくされているらしいぞ」
「へー」
「なんだよ。興味なさそうだな」
「そんなことないよ。ところでフェルトは何部隊だったの?」
陛下になぞ、全く会いたくない。僕が興味のなさから話を強引に逸らしたことにも気づかずにフェルトは嬉しそうに答えた。
「第1部隊だぞ! すげーだろ! って言っても特殊部隊のロイには自慢できねーけど」
「すごいじゃん。部隊って確か数が若いほど重要な仕事内容なんじゃなかった?」
「そう! それは知ってたんだな。第1部隊は主に要人警護とかが主な仕事だ」
「かっこいいね」
「だよな! にしても本当についてるよな。俺たち。だって普通は貴族しかなれないんだぜ? 今回のことは陛下が始めた試験的なことでそれぞれの隊に2人ずつくらいしか受かってないらしいぜ」
「え!? あんなに並んでたのに? ってことは全員で22人しかいないのか」
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