第三話―赤坂宙域の戦い


 赤坂宙域の別名は暗礁宙域。

 南北朝が争った戦争で沈んだ、宇宙軍船いくさぶねの残骸が幾重にも散らばっているため電波が乱反射して安全な航行さえ難しい。まして敵艦を探知するのは至難の業だった。 。

「後方に戦闘機群!残骸に偽装していた模様!」

「こんな狭い宙域でだと!こちらも戦闘機を発艦…」

「前方にも艦隊が出現!其の数三千!」

「謀られた…」

 旗艦司令塔で指揮を執っていた北朝方大将、大仏おさらぎ直定なおさだは天を仰ぐ。

既に敵艦が放った反物質粒子砲が、北朝艦隊先頭の軍船群を水兵ごと対消滅させつつあった。


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