4――米洲豊臣家直臣、前田利親
「
赤備えの甲冑を着た大男は、大音声で叫んだ。
太い眉に高い鼻、大きく開けられた口、美形とは言えないが迫力だけはあるつくりの顔だった。身の丈は七尺ほど、丸太のような体型のこの偉丈夫は殊更に目立つ男だった。
前田家と言えば、豊臣家が日の本に覇権を確立する立役者となった一族である。
その始祖である豊臣春永に付き従った、歴史ある名家だ。
前田家の誇る漆黒騎兵衆と言えば、今や東部海岸線や
練度の高さがうかがえる立ち直りを見せた騎兵衆は、島津の陣中へ突撃していく。
すぐさま
胴丸を貫かれた武者が落馬し、眉間を貫かれた馬が立ち上がり、混乱が広がる。
――これほどの鉄砲、大筒。本陣への突入は厳しいかもしれぬな。
そう思いつつ、利親は突進を緩めない。
#100文字の架空戦記
※
史実における江戸幕府での
主君の部下の部下、つまり間接的な部下は
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