2――ロシア大陸打通作戦
1918年10月、任期中に突如病没したウィルソン大統領にかわって、トーマス・マーシャルが大統領に就任した。
マーシャル大統領は日本に好意的ではなかった。しかし、共産主義の伸張を恐れる点では日本と利害が一致し、シベリア出兵には積極的に賛成した。
政権による議会工作の成功により、合衆国は新たに五万人規模の兵力派遣を決定した。
それに呼応して各国も兵力増派を決定。帝国議会で紛糾したものの、結局は日本も米国に次ぐ帝國陸軍四万人の兵力を派遣する。
ソビエト・ロシアの赤軍は大兵力の各国連合軍に対して敗走を重ね、連合軍はウラル山脈を越えて進撃を開始した。
そして、1920年5月15日、帝國陸軍参謀本部のもとに、現地からの一報が飛び込んできた。
「レーニンを拘束に成功!また、幽閉されていた皇帝一家の救出に成功しました」
その一報に、日々補給線の確保に苦心惨憺していた陸軍参謀本部は沸き返った。
帝國陸軍は、ヨーロッパ方面からモスクワに雪崩れ込んだ英陸軍とともに、クレムリンの制圧に成功。シベリア出兵から始まった、連合軍による長い「ロシア大陸打通作戦」は、ようやくのことで成功したのである。
この日をもって、「ソビエト連邦」は地球上から消滅。
国際連盟による共同統治を経て、ロシア共和国が発足することになる。
#100文字の架空戦記
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